618日 ゆっくりウォーク例会 
小栗判官伝説の道

6月18日は朝から冷たい雨、午後3時半から決勝リーグ進出をかけて日本対トルコ戦があるというのに、50人もの参加者があった。「小栗判官伝説の道」なんて大層な名前をつけたが、単に境川沿いを歩くだけである。しかし、なんの変哲のない道でも、歴史や伝説を多少なりとも頭の片隅において、中世の物語に思いをはせて歩けば楽しいのではないかという企画である。

  小栗判官と照手姫のロマンは遊行寺時宗が全国に広めたとされ、民衆が時代とともに説教節や浄瑠璃、歌舞伎に脚色を加えてきた。

  藤沢駅北口さいか屋地下を1010分スタート、市役所の横を通り境川の東橋を渡り、川の左岸を歩き30分程で遊行寺に到着した。

  希望者のみ、照手姫が小栗の死後、尼となり小栗の霊を弔った小栗堂裏にある小栗と十勇士、照手姫、それに名馬鬼鹿丸の墓を見学する。北は青森から南は宮崎まで伝承する物語と散在するお墓の原点である。

  その後、遊行寺黒門を通り抜け、朱色の遊行寺橋を渡り右岸に沿って歩く。

 「雨よ降れ降れ 悩みを流すまでって唄知っていますか」、とあるご婦人が声をかけてきた。しばらくお見受けしないMさんだった。「知っていますよ。淡谷のり子の雨のブルースでしょう」「私はJust walking in the rain. 雨に唄えばの方が好きですが」「それにしてもお久しぶりですね」「ついて行けなくなって止めたんですが、ゆっくり歩くと聞いてやって来たんですよ」

  そんな会話も大清水橋を渡り再び左岸の浄化センター、下水処理場横の土の道を歩く頃には、行く手を阻むほどの風と雨で辺りの景色を見る余裕などない。横浜水道境川水路橋の先、右側山側に入る農道を歩く。「田圃には水が潤い、今日は風情がある風景ね」とは俳人のSさんである。一句詠んだのであろうか。
 
  緩い坂を登りきった所が東俣野公園である。12時5分前到着。晴れていれば素晴らしいパノラマ景観を観ていただける筈であったが、あいにくのお天気の故、クラブハウスで昼食をとる。リーダーの谷村さんが「雨が酷いので無理しないように」と、話すがリタイアする人はいない。どうもお目当てはこれから行く飯田牧場のアイスクリームにあるらしい。

  昼食もほどほどに1225分出発。再び境川に出て東西橋を渡り右岸のサイクリングロードを20分も歩くと左手にこんもりした林がある。ここに見所スポットのごぜ淵、小栗墓塔がある閻魔堂跡、花応院が集中するが一瞥しただけ。飯田牧場に着いた1時には運よく雨も上がった。今日のお天気で売れ行きの悪いアイスクリームが完売できたのか、女主人から金一封が出た。

  使い道を鳩首協議の結果、「今日は皆さん、雨の中、頑張りましたので後日敢闘賞を出します」と谷村さんが約束する。「トルコに例え負けてもベスト16、日本サッカー界にとっても忘れられない日ですからね」「では両方の敢闘を讃え、パソコンでミニ賞状を作りましょう」

  飯田牧場から、403号藤沢戸塚線に出て日大へと向かう。途中、小栗塚跡碑、餓鬼の姿として生き返った小栗が体の土をふるい、そのふるった土でこんもりとした塚ができたという土震塚の前、地神社の横を通り、解散地の日大構内のバラ園に着いたのは2時10分前であった。「出発時2時までには解散したい」と谷村さんの挨拶は守れた。本当はスタッフ自身がサッカーの時間を一番気にしていたに違いない。

  バラ園には280種、800本のバラがあるとの触れ込みであったが、すでに時期は過ぎてしまったようだ。標本館も見学出来るよう正田さんが手配しておいたのだが、狸や狐、馬の骨などの標本は身近に見られるのか、訪れる人は少なかった。

  皆さん、今日は雨の中お疲れ様でした。敢闘賞が出たからと言って次回も頑張るなんて思わないで下さい。それではお風邪など召さぬようご自愛下さい。   (管理者注:写真の提供は藤沢市観光課です)

  2002・6・18  会員番号 42  八柳 修之