810日例会
サンセットウォーク  湘 南 夕 景 色
 江ノ島から、七里ガ浜、稲村ガ崎、由比ヶ浜、逗子大崎公園を経て逗子駅まで15km、夕景色を見ながらウォーキングしようという企画、リーダーは、遠藤、猪股、福井、金井の4氏である。
 小田急片瀬江ノ島駅を出発したのは定刻午後4時20分、参加者186名、中には日中行われた他協会の例会に参加したダブルへッター組もいた。帽子にバッチを沢山つけた欧米人の参加者があり、where do you come from? と訊ねると、「国籍は関係ありません」と流暢な日本語の返事、確かに誰でも参加できるのだから失礼な質問であった。
 弁天橋を渡り、海沿いの海岸通り(134号線)を東へ歩むかと思ったが、片瀬東浜から龍口寺の右脇の狭い道、腰越3丁目の昔からの住宅地を道なりに進む。スパー山崎の角を右に曲がり、腰越中学の横を通り、腰越大船線を横断すると、こちらも同じ腰越であるが、比較的新しい住宅地である。右側から西日を受け緩い坂道となるが、風があるのが救いである。
 坂を登り詰めた所、右聖テレジア病院、左鎌倉高校の間から海が僅かに見通せる。鎌倉高校横から再び、七里ガ浜2丁目、高級住宅地の坂道を登って行くと、鎌倉風致地区の看板がある。三浦半島から江ノ島まで繋がる相模湾を見渡せるビューポイントであるが、ぼーっとけむり海の色は黒っぽく見える。2丁目6番地が峠、かもめ公園を左に曲がると下り坂、その先、緑が多く湿地である。日蓮が旱魃に苦しめられた人々を救うため、雨乞いの祈祷をしたという日蓮雨乞い池、霊光寺である。しかしこの辺りにはやや不調和なマンション、テラスハウスが続く。
 5時15分、七里ガ浜小学校前の田辺広町公園に到着、小休止。一帯は七里ガ浜東といい西武が開発した大住宅地である。七里ガ浜ゴルフ練習場、鎌倉プンスホテルの横を下り、江ノ電の線路を横断、海岸通りに出る。下り線の車は渋滞、そう言えば今日からお盆の休暇を取るサラリーマンが多い。こちらはもう年中休みのような日々である。海が前面に広がり、海からの強い風を受ける。西日も弱くなり、暑さもおさまったようだ。面白い格好をした碑があった。哲学者西田幾太郎の記念碑、晩年鎌倉に住んだと、和澤さんが言う。振り返ってパチリ。
 稲村ガ崎海浜公園着5時50分、本日一番か二番のビューポイント、30分の休憩である。稲村ガ崎は鎌倉の海岸を七里ガ浜と由比ガ浜に分ける岬、新田義貞の徒渉伝説、鎌倉幕府滅亡時の古戦場として知られ、最近では映画「稲村ジェーン」の舞台ともなった所である。これからの季節、太陽が富士山に沈む姿は美しい。江ノ島を望む相模湾の景観は神奈川景勝50選に指定されている。今日の日の入りは6時36分、カメラマンが格好な場所に陣取っていた。
 6時20分、リーダーより「体調には十分気を付けて下さい。稲村ガ崎駅、あるいは次の列詰地点の滑川から鎌倉駅へ帰る道をご案内します」と、出発時に続き二度目の説明の後、出発する。国道を離れて遊歩道に下りると、風が強く、満潮が近いとあって波しぶきが道を洗うようなスリルを味わう。砂浜が海流でえぐり取られ、テトラポットがかろうじて侵食を防いでいる。坂ノ下を過ぎる頃から、お店の灯りが点り始めた。
 海浜公園の一角に赤い花、ブラジル原産のアメリカデイゴが咲いていた。さすが湘南は暖かい。和澤さん、パチリ。稲瀬川河口を過ぎると、砂浜が広がり由比ガ浜海水浴場、もう人は疎らである。繋がる海の家は昔と違って、トロピカルなもの、ウッドデッキのあるものなどオシャレである。一日使用料1500円均一。
 滑川橋到着6時55分、若宮大路から鎌倉駅に向かった人は約30人あったとか。その決断、勇気に拍手である。先を目指す人は、携帯電灯をともしマックの角を直進、九品寺前を右折、道なりに先を急いだ。途中、アメリカ玩具屋という子供の頃にあった懐かしい駄菓子屋さんがあった。まだ鎌倉にはこんなお店が残っていたのだ。
 光明寺の先、小坪海岸トンネルを横から細い路に入ると、波の音が間近に迫る。六角の井を過ぎ、岬の先は飯島公園、材木座海岸から由比ガ浜、江ノ島に連なる海岸の灯を眺めるため小休止、公園の後は逗子マリナーのマンション群である。6号棟の横を通り小坪漁港へ、トイレ休憩、
 7時40分出発、小さな魚市場の先、山側に入り、庇が付き合うような路地の急な道を登る。確かに心臓の悪い人はちと難儀かもしれない。登りつめた右側が披露山大崎公園、8時5分前到着。本日のフィナーレを飾る遠藤リーダーご推奨の公園から見る夜景である。長津さんが「正面、時々灯りが点るのが江ノ島の灯台、それら手前が、今日歩いて来た七里ガ浜、由比ガ浜、材木座海岸の夜景、花火は寒川の花火です」「手前下、明るければオレンジ色の煉瓦屋根の白いマンションと椰子の木が立ち並び、まるで南フランス、ニースのようです」と説明する。(行ったことあるのですか、でも写真で見たことがあるような風景です)「逗子や鎌倉の花火に合わせたらよかったですね」との声あり。(ごもっともです。例年10日に開催される鎌倉の花火に合わせたのですが、13日に突然変更になってしまったためです)
  8時過ぎ、解散、逗子駅まで30分余り。夜景はあなたにとって何万ドルでしたでしょうか。公園の頂上に泉鏡花の詠んだ歌を兎に刻んだ句碑がある。誰も見に行く人がいなかろうと、和澤さんが一人写真を撮りに行った。披露して下さい。
2002・8・11 会員番号42 八柳 修之