8月25
セミナイトウォーク引地川くだり
  7、8月、当協会が暑い日中を避けて行った4つのサンセットウォーク・シリーズの掉尾を飾る第4弾、引地川下りは8月25日(日)に行われた。コースは湘南台公園から、引地川へ出て川べりの遊歩道を下り、途中、大庭城址公園を経て片瀬江ノ島まで17Km、川風と暮色を楽しみながらウォーキングしましょうという企画、リーダーは、猪股、遠藤、和澤、広瀬4氏の当会きっての健脚カルテットである。

  これまで、引地川の河口から源泉を訪ねて大和の泉の森までのウォークは、毎年恒例の引地川ウォークとして実施して来たが、引地川を下る企画は今回初めてであろう。そして日が暮れてからのウォークは安全な遊歩道を歩くのが一番である。

  定刻3時50分、湘南台公園を出発。一路、引地川を目指して、まだ高い西日を正面から浴びて、市街地の雑踏から逃れるべく6つの信号を一気に通り、20分ほどで川沿いの円行公園に着いた。公園の角にあるコンビニは道中最後の糧秣補給地とあって、列詰めを兼ねて10分間小休止の予定であったが、みなさん準備がよろしく、5分ほどで川下りとなる。

  川は河口に向かって右側を右岸、左側を左岸というそうであるから、今日は右岸を歩いている訳である。川に出ると今度は太陽を右から受ける。一昨日が処暑、暑さが止み涼しくなり始めてもよい頃なのだが、それは暦の上でのことである。湘南国際女子短大側の土手のオレンジ色と黄色のカンナの花は大きく見事であった。  橋は馬渡橋、東山田橋、山田橋と続く。引地川ウォークのマップ作りにエネルギーを注いできた最首さんの調査によれば、河口から泉の森まで全長21Km77の橋が架かっている。今日のマップも最首さんがパソコン技術を駆使して作ったものであるが、今日もお休みとは気になります。「最首サーン、元気なら掲示板に返事下サーイ」。漬物の秋本食品に因みその名が付いたという秋本橋の手前、緑青の屋根のお寺は自性院、立石在住の浅田さんはガイドである。

カワセミは見かけませんでした
  4時50分、石川橋を過ぎ川沿いの道とは、オサラバして藤沢厚木道路(43号線)に出る。水色の横浜引地川水道橋の下を潜り、その先、信号を右にライフタウンへ入ると新興住宅地である。緩い坂道となるが、道の両側にピンク色に咲いている百日紅は疲れを癒してくれる。坂を登り切った所が大庭城址公園、5時15分着、予定より50分も早いペースである。せみ時雨の中、軽食タイムとなる。

  45分出発、空掘り、掘立柱住居跡、木立ちの間の細い坂道をゆっくりと下る。43号線と47号線の交差点に舟地蔵がある。和澤さんここでパチリ。案内板を読む余裕がなかった人へ、こんなことが書かれてありました。『地蔵尊の台座が舟型になっていることから舟地蔵と呼ばれています。その昔、北条早雲が大庭城を攻めたとき付近一帯は沼地で、なかなか攻めることができませんでした。北条方は沼近くに住む老婆から引地川の堤を切れば沼は干上がることを聞き出しましたが、秘密漏れを防ぐため老婆を斬り殺してしまいました。その結果、北条方は、ようやく城を攻め落とすことができたそうです。舟地蔵は、殺された老婆を供養するため建てられたという言い伝えがあります。表郷町内会』

  信号を渡ると運動場や湿地保存園がある面積11ha大庭遊水地、小糸川沿いを歩き、再び引地川と合流、右岸に戻る。見たところ川の流れは綺麗である。石ころが川を浄化しているからであろうか。城下橋から高名橋にかけての右手一帯は水田地帯、稲穂は黄色く色づきはじめ頭をたれ始めている。空はまだ青く、一筋の雲が天を突き刺している。和澤さん、思わずパチリ。高名橋を過ぎると道はアスファルト道に変わる。なんやら水鳥が一列になって泳いでいる。「カルガモですかね」「かもね」と浅田さん。柏山稲荷山前、川の流れは澱み、国道1号線高架下を通過すると、景観は一転し工場、住宅地、マンション群となる。引地橋、上村橋6時43分、日没である。ゴミトラップが上流からのゴミをせき止めている。日没を待っていたかのごとくこうもりが出没し始め、蝉の音が虫の音に変わる。遊歩道には色々な草木が植えられているが、もう識別できないほどの明るさ。和澤さんが、芙蓉を写そうとしたとき、「それは芙蓉(不要)」とまたしてもあの声。

  東海道線の下、高山地下道を潜る。その先の親水広場着6時40分、トイレ休憩であるが、線路沿いの道を藤沢駅、茅ヶ崎駅に出られるとの案内あり、明日のことを考えてか家路につく人が多数あった。

  45分出発、それからは、我が家の灯火が恋しくなったのか、スピードアップ。こちらの記述も急ごう。清水橋、富士見橋、ライトアップされた長久保みどり橋、日はとっぷりと暮れて対岸の街灯が川面に揺らぐ。太平橋丁度7時。時折、犬を散歩させている人と行き交うか、前を歩く人の姿が街灯にぼーっと映し出されるかの繰り返しである。みんななぜか無口でひたすらゴールを目指す。作橋、日の出橋、7時5分、アンカーが稲荷橋を渡ったとき先頭はゴールしたとの連絡があった。全員が鵠沼海岸のサーフビレッジにゴールしたのは7時20分、解散、お疲れさまでした。ここから、片瀬江ノ島駅までは約30分、7時50分にはすべての人が乗車し家路についた。暑かった湘南の夏も終わったようだ。                  
会員番号42 八柳 修之