912日 例会
子安の里 10/16/23km

    9月最初のウオークは、三浦半島大楠山中腹に広がる起伏のある曲がりくねった古道をたどる企画である。予報に反して朝からの晴天に129名の参加者があった。コースの魅力か東京、埼玉、千葉、からの参加が何時もより多かった。リーダーは当会きってのウオーク博士の遠藤さん、サブは古道ウオークに並々ならぬ情熱を持つ大牟田さん、西澤さんのご両人である。

    930分からの出発式で江尻会長は「まだ暑さがきびしいので無理をしないように」と注意を促す。続いて遠藤さんから得意の古事を折り込んでのコース紹介、体操の後、定刻950分、衣笠栄町公園を出発。

  衣笠の市街地を抜け30分ほどで「しょうぶ園」に着く。肝心の14万株の「はなしょうぶ」は今オフシーズン、しかし品種ごとに「源氏蛍」「歌行燈」「胡蝶の舞」など15の名札が付けられ、丹精込めて育てられていた。ここでトイレ休憩、IVVの捺印を行う。捺印の際、ご本人より歩く距離を申告して貰う。湘南国際村(10Km)で終わる人の足(バス)を考えての事であるが約9割の人が葉山公園(16Km)まで歩くつもりいる事がわかる。

  「しょうぶ園」を出ていよいよ「横須賀古道」にかかる。その昔、日本武尊が東征の折、通った陸路で歴史的に由緒ある道だそうだ。起伏のある道で汗をかくが古道を抜ける風が肌に心地よい。30分ほどで「木古庭不動尊」に着く。入り口にある滝が暑さを和らげる。村道に出ると陽射しは強いが、稲木に架かった稲が早い秋を知らせて呉れる。

  ゴルフ場取り付き道路手前で小休止、殿軍の福井さんから3名が暑さにやられリタイヤする旨の携帯が入る。会長、長津さん、西村さんがバス停まで送り届ける。本隊の中にも暑さで体調を崩す人がいる為途中木陰で休憩をとり、予定より10分遅れで「湘南国際村」に到着、グリーンパークで昼食となる。

   1245分出発、当初の予定よりやや多い25名の人がここからバスで帰ることになる。体調を考え自己責任で判断されたものでその決断に敬意を表したい。これからいよいよ本日のタイトル「子安の里」を歩く。この名前の由来はリーダー遠藤さんによると、昔、集落を流れる関根川の岩石が久留和海岸流れ着いて長年荒波に揉まれて丸いお腹の形をした石がたくさん出来、この石を「子産石」と言って、安産の神が宿るとして集落に住む人たちが崇拝し子宝に恵まれることになった故事による様です。

  山間に点在するのどかな田園風景は遥か昔の肥しの匂いのする田舎を思い出させ、今時、珍しい炭焼き小屋の匂いを嗅ぐと桃源郷いる様な気持ちにさせて呉れる。134号線に出るトンネルの手前を関根川沿いに進むと「関根御瀧不動尊」。ここでトイレ休憩ならぬ水飲み休憩、不動尊脇の湧き水で行列して全員喉を潤す。付近の人はポリタンクで持ち帰り水割や飲み水に使うと聞く。もっともコーヒー通の井上さんの経験ではミネラルが多いせいか冷やして呑むのが一番美味しく、この水でコーヒーを入れると少し硬い感じがする由。 

  水飲み休憩が終わって出発前、リーダーから134号線、海岸線に出るとバスが走っているので無理しない様にとのアナウンスがあった。久留和海岸に出ると風はあるが日差しは相変わらず強い。子産石バス停で20名が挨拶をして別れる。葉山公園には15時少し前に到着どの顔にも素晴らしい里山歩きが出来た喜びが伺えた。更に約20名の健脚は猪俣さん、広瀬さんの先導でJR逗子駅まで26Kmを完歩した。 ご苦労様でした。

  湘南国際村からの富士、箱根、相模湾の素晴らしい眺望と鄙びた子安の里の空気に触れる為もう一度訪ねようと思ったのは私独りではあるまい。

922日記 和澤 潔