紀 行 文
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ウォーキングの途中、膝痛のためにバスで帰宅したことがあった。20年ぐらい前にあるスポーツで痛めたところが再発したのだ。しばらくは階段の昇降はもちろんのこと、歩くことさえ困難だった。通院での薬物療法、理学療法と併せてストレッチ・筋肉トレーニング等の運動をしながら今ではウォーキングや山登りを楽しむことができるようになった。
さて、5月31日(土)から6月1日(日)にかけて九州の久重連峰と由布岳に登った。久重の5〜6月といえば、全山ミヤマキリシマに染まる。それに魅せられての山行である。初日は6月の初めにはめずらしい台風の影響もあって、かなりの風雨に見舞われた。長者原から雨に濡れながら雨ヶ池越を経て坊ガツルへ。視界もほとんどなく、“九州の尾瀬”とも呼ばれる坊ガツルの平坦な湿原についた時にようやく小雨になった。芹洋子が歌った「坊がつる賛歌」を思い出しながら法華院温泉山荘へと向う。素朴な山の湯につかった翌日は台風一過の快晴。九重の山々を仰ぎながら最高峰の中岳へ。そして三角形状の品格のある主峰の久住山に登る。丁度、山開きの日とあって山頂に向う道や頂上は登山者であふれていた。阿蘇の山々、祖母山など展望を満喫し、下りの道は音をたてて噴煙をあげる硫黄岳を望みながら、砂原の千里ケ浜を通ってすがもり越ルートを歩く。九重連峰いたるところでピンクに染まったミヤマキリシマの群落が迎えてくれた。三俣山を見ながら星生温泉へと向かう。
豊かな湯量の「星生の湯」で十分疲労をとった翌日は汗して由布岳に登った。下山後の由布院温泉入浴を楽しみにして。膝痛を心配しながらの山行であったが至福の三日間であった。これからもストレッチや筋力トレーニング等運動を続けながら、無理せず自分にあったペースでウォーキングや山行を楽しみたいと思っている。
市川 弘