5回目の完歩「盾」を戴いて ―六甲全山縦走大会の記録―
久木園大作
六甲全山縦走(56km)に参加して5回目の完走を終えた。初回のとき、完走できるだろうか?という不安があった。その不安は5回目も変わらない。が、初めは菊水山(458m)の登りが厳しかった。今では摩耶山(702m)がきつい。そして、菊星台(約30km)まで来ると完走を意識する。今回も同じであった。菊星台まで達する度に、今回で止めようと思うが、申込の時期(9月1日)が来ると胸が騒ぎ始めてしまう。何と不思議な山塊だろうか?
コースは、須磨浦公園から鉢伏山(253m)までに200段位の階段を一気に駆け登り、旗振山、鉄拐山。一旦下りて、高倉台団地。更に約400段の階段を登って栂尾山(トガオ、273m)、横尾山(312m)、須磨アルプス馬の背、東山(253m)を下りて妙法寺。続いて毎日登山で有名な高取山(320m)を下りて丸山台の住宅街に出る。
コース概念図(1)
コース概念図(1) 須磨浦公園〜潮見茶屋
鵯越(ひよどりごえ)駅脇を抜けて、鈴蘭台下水処理場から第1関門、菊水山(458m)、ここで第1CP。下って、天王吊橋から鍋蓋山(487m)、再度、山脇を抜けて大龍寺山門、市ヶ原から第2関門、学校林道、天狗道と続いて、中間点(約29km)。菊水山と摩耶山は何回登ってもきついと感じてしまう。初回と5回目ではCPの場所も違う。過去の統計資料がそれを語っている。かなりハードな縦走路であることは間違いないようだ。
コース概念図(2)
コース概念図(2) 鵯越〜摩耶山
摩耶山(702m)から菊星台、ここが第2CP。例年よりかなりタイムが遅れているが、完走を手中におさめたことを意識する。ホットレモンが美味しかった。次のCPまで約10km、約2時間とみて17:00、この時間帯に東分岐点に入ったことを経験したことがない。ヘッドランプを装着するがうまく行かないのでCPで電池を入れ替える
コース概念図(3)
コース概念図(3) 摩耶山〜旧極楽茶屋
最後のCPを終えて、13kmの山道に入る。水無山(804m)を過ぎ船坂峠(663m)のところで係員が、あと10kmを告げてくれた。真っ暗闇である。この道が近畿自然歩道である。次の大平山(682m)を出たところで深夜バスの予約変更をTELしたが、結果は遅かった。大谷乗越では断崖のような個所を伝わっており、道路を渡って一休みする。隣の人がリタイアを申し出ていた。私は勿体ないと思う。あと7kmだよと言いたかった。米倉山(488m)の樹間から見る宝塚の街は、正に百万弗の夜景だ。前方に塩尾寺の灯が見えた。急な下り坂で、右、左へ七曲だ。もう少しと思っている間に宝塚駅前のゴールに着いた。
コース概念図(4)
コース概念図(4) 一軒茶屋〜宝塚駅
「今回で何回目ですか?」と聞かれ「5回完歩」と答えると「来年も期待しています」
ウォーカーのみなさん、脚力に自信のある方、参加してみませんか。自分自身の脚力と精神力を試す道場であると考えれば、その達成感も一入というところでしょうか?      
(H17.11.29 日記)

(注記:ここに掲載した「コース概念図」は山歩きに十分な地図ではありません。「六甲全山縦走マップ」を別途販売しています。)