山歩き紀行
世界遺産 屋久島宮ノ浦岳に登って
久木園 大作
先回は縄文杉行きとなったが、今回は宮ノ浦岳(1953m)と白谷雲水峡まで足を伸ばすことができた。
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宮之浦岳頂上にて |
屋久島ユースを4時30分に出た。安房(あんぼう)、屋久杉ランド、紀元杉(8.1m)、母子杉(9.0m)、仏陀杉(8.2m)、天柱杉(8.2m)、三根杉(9.3m)などの巨木があちこちに点在する。地元では、1,000年以上を屋久杉と呼び、それ以下は小杉と言っているそうだ。
第2駐車場で朝食をとり、6時30分、淀川(よどごう)登山口から入った。
入口に注意書きとして、登山者は7時までに入山するように書いてあった。
宮ノ浦岳までのアプローチの長さを感ずる。山道の両側にツガ、モミ、ヤマグルマ(屋久杉を絞め殺す植物)ヒメシャラ、シロダモが繁茂して昼なお暗い。案内者の島津さんの話によると、屋久島全体が亜熱帯植物と亜寒帯植物が同居しており、世界遺産となっている部分(縄文杉、宮ノ浦岳)とそれ以外の部分(白谷雲水峡)とは植物の生態系も違っている。
宮ノ浦岳近くは、約2m位の積雪があり、近くに遭難碑も建っていた。そして今年の雪で縄文杉の枝の一部が折れたと新聞は報じている。
巨大な杉の枝に、ナナカマドやサクラツツジが枝を伸ばしており、またヤマグルマが絡み合っている。
淀川小屋で水を補給する。巨木林の続く展望所から左斜前に高盤岳(1711m)の頂に大きな岩が縦割れしており、その恰好が豆腐を切ったようになっていることからトーフ岩と呼んでいる。小花之江河(しょうはなのえごう)の湿原に出た。山紫水明と呼ばれるにふさわしい。もう一つ山越すと花之江河、ここで屋久島杉ランド、石塚山(1589m)と分岐する。
正面の黒味岳(1831m)を迂回して、投石平で一休みとなった。ここから投石岳(1830m)、安房岳(1847m)、翁岳(1860m)の裾を歩く、ぐっと視界が展けてくる。さらにその奥には永田岳(1886m)が聳えている。草原と潅木、膝から腰ぐらいの高さのヤクシマダケが続く。急な下り坂を下りると、最終の水場、再び水の補給、栗生岳(1869m)と宮ノ浦岳(1935m)の頂上から巨大な岩が転げ落ちそうだ。山全体が草と岩に覆われているようだ。
ここで昼食をとって、その後一気に登ろう。栗生岳まで25分位で宮ノ浦岳まで45分という。かなりの急登りである。12時4分、全員が頂上に達した。全員が祝福の杯を上げた。
この短い文章では書き尽くせないが「百聞は一見にしかず」の例えのように、機会を見て行かれることをおすすめします。またガイドさんは地元の人で、学識のある人と見受けられます。縄文杉を書きたいが、この次、私は縄文杉から宮ノ浦岳縦走を考えていますので、そのときまた書く予定です。 完