ウオーキングのすすめ
河原 農
ウオーキングを続けると、多くの生活習慣病が改善されると説く泉先生。それはなぜでしょう?
「糖尿病や高脂血症といった生活習慣病は、肥満、ことに内臓脂肪の増加をきっかけとして発症します。内臓脂肪は過食と歩行(運動)不足により増えるのです。歩かないことがひきがねになって始まる病気を泉先生は歩行不足症候と呼んでいます。これは最近、問題視されているメタポリックシンドロームとそのまま重なります。歩行不足が関係している病気は、歩くことで改善できるという訳です。」

厚生労働省のメタポリックシンドロームの発表以来、内臓脂肪型の肥満こそが問題であるということが認識されつつあります。
これまで、肥満の判定には、身長と体重から割り出すBMIの値が用いられてきました。しかし、BMIだけだと、体重は適正値だが実は内臓脂肪が多いというケースを見落とす可能性が有ります。そこで最近は、内臓脂肪型の肥満を見逃さないために、腹囲の測定がすすめられています。男性で85cm、女性で90cm以上の人は、内臓肥満型肥満の疑いがあります。皮下脂肪は、食事制限をすれば減らすことができますが、内臓脂肪型はそれだけではなかなか減りません。内臓脂肪を減らすのに有効なのは、有酸素運動なのです。
けれども、体重の重い人は、急激にハードなウオーキングを行うのは、腰や膝を痛めてしまう危険があります。
そこで、毎日少しずつ歩数を増やすことを目指すライフスタイル・ウオーキングがいい訳です。少しずつ歩数を伸ばしていくと筋力がついてきますので、腰や膝を痛める危険も回避できますし、身体も軽く感じられるようになります。
病気にならないウオーキング(泉嗣彦著)より
貴方は大丈夫?  肥満測定