8月7日 鎌歩協例会
鎌倉ぼんぼりナイトウォーク
 八幡さまで恒例のぼんぼり祭りが7日始まった。このお祭りは1938年、鎌倉文士達によって夏の行事として始められたそうであるが、今では鎌倉の夏の風物詩ともなっている。また、この日に行われる鎌歩協のぼんぼりナイトウォークも同協会の恒例行事となっており、昨年に引き続き今年も参加した。
 集合場所は鎌倉駅西口横浜銀行駐車場、これもお決まりの場所である。出発時間は午後3時45分の予定とのことであったが、子供連れもいて満員の盛況、予定を早めて1、2班は3時半には出発した。急ぐこともないので、4時出発の最終3班に入った。
 西日を正面から受けて市役所通りを御成トンネル、新佐助トンネルを潜り、長谷トンネルに入る手前、長谷大谷戸信号を左折する。右側の山の陰が西日を遮り、少しは歩きやすくなったが、相変わらずまだ30度を超す暑さである。道の両側の住宅街はお屋敷が多い。やがて直線道路が右ドッグレッグする辺りから道幅は狭くなる。右側が高徳院、鎌倉の大仏さんである。このまま進めば大仏通り(32号線)に出るのだが、手前、大仏通りと平行した路地路を歩く。地元の人でなければわからない路である。大勢で歩く路ではないが、幸いウォーカーも大分ばらけて来た。庇と庇とがくっつくような路を歩くと、歩かせて頂いていますという感謝の気持ちが一層湧くものである。
 案内どおり進むと、由比が浜通りに出る。甘縄神社入口の向かい側の路地を入り海側へ直進、地番が変わってここは長谷2丁目、江ノ電の無人踏切を横断、左、稲瀬川という小川が流れている。
 4時37分、やがて行く手が開け海岸通り(134号線)に出る。前面に海が広がる。太陽を背に右からは心地よい海風を受ける。只今夏休み真っ盛り、由比ヶ浜海岸は海水浴客で賑わっている。滑川橋47分、橋を渡ると材木座海岸、こちらの海岸は波が高く海水浴客は少なくウインドサファーが目立つ。突然、強い風、ご婦人が帽子を飛ばしてしまった。鎌歩協の役員さんが、道路を越えて帽子を拾いに追いかける姿を見る。ちょっといい光景である。材木座1号橋を左折すると光明寺、丁度5時、小休止である。
 5時15分出発、材木座の住宅地の中、実相寺、五所神社、来迎寺、長勝寺、横須賀線の名越踏切を渡り、安国論寺、妙法寺前と寺社シリーズ。いずれ一人でゆっくり訪れたい所ばかりである。大町3丁目、大宝寺前を奥へ進むと道はY字に分かれる。右に進み淡水庵を過ぎると、急に山が迫って来て一寸きつい坂道となる。登り切った所が通称お化けトンネルである。ひんやりとして気持ちがよいが、照明が暗く日中男でも気持ちが悪い。トンネルを抜けると急な下り坂、夕暮れ時、せみ時雨、今年初めてカナカナが鳴くのを聞く。東勝寺跡の一部がコマ切れにされ、いつの間にか住宅となっているのには驚いた。
 滑川にかかる東勝寺橋の袂には、川に落とした十文銭を天下の財を失うとして五十文の松明を買って探したという青砥藤綱の碑が立っていた。その先内田商会の角、宝戒寺の方へ行くかと思ったが、案内の人が立哨、鎌倉の人でなければ分らない路地に入る。
 とても消防車が入れない路である。一角に若宮大路幕府旧蹟碑があった。なんやら分らず案内どおり進むと金沢街道に出る。横断すると八幡宮、流鏑馬馬場の幼稚園前がゴール、解散地である。到着したのは丁度6時であった。
 待つこと暫し、6時45分、夕暮れを待って、巫女さん達がぼんぼりに蝋燭を点灯して歩く、カメラマンが群がってシャッターチャンスを狙う。無病息災を祈って直径2米余りの茅の輪を八の字を描くように潜るとよいとされるので、言われるまま輪をくぐった。今年は350基のぼんぼりが出品されたそうであるが、片岡球子、石原慎太郎、扇千景などの著名人のぼんぼりは、序列があるのか本殿の近く上の方にあった。お参りして帰る頃には、日もとっぷりと暮れて、灯りの点ったぼんぼりはファンタジックな世界、あの追いかけて帽子を拾って上げた役員さんの行為のようにほのぼのとした灯りでもあった。                                                会員番号42  八柳 修之
(管理者・注:挿入写真は鎌倉歩け歩け協会の御好意により、同ホームページに掲載されたものを転用しました。)