島めぐりマーチングリーグ
第10回超自然・屋久島ツーデーマーチ
福井正彦
平成15年5月10日(土)〜11(日)鹿児島県上屋久町で開催された大会に参加してまいりました。
テーマは『歩いてこそ発見できる屋久島の自然文化』、平成6年世界自然遺産登録記念イベントとして始まった。ここ屋久島は非常に雨の多い島で作家の林芙美子が小説「浮雲」の中で一月に35日雨が降ると表現したほど雨が多く、平地でも年間4000ミリ、山間部では8000ミリを超える。島の75%が山岳地形で周囲135km(レンタカーで2時間強で島内一周できる)山の高さは屋久島連山の宮之浦岳が最高で1,936m(九州最高峰)この他1,000m以上の山々が29あり奥岳を形成しており1000m以下の山は前岳と言われている。標高0M〜標高約2000mの標高差が有る為、亜熱帯から亜寒帯、高山植物まで日本列島の植物が垂直に分布している様子を一望する事が出来る。5/9は宮之浦の民宿『岳杉』に宿泊
。(その他の写真と地図はこちらをご覧ください。

第一日目

城ヶ平城址より見た屋久島連山

ガジュマルの巨木
35kmスタート地は屋久島環境文化センター前、矢野上屋久町長の挨拶、地元インストラクターのストレッチ、コース説明及び注意事項の後、8時約100名のウオーカーが永田町公民館目指して出発、天候は薄曇、気温は20度、原則団体歩行となっている。上屋久町役場を通過、唐船峡橋の手前欄干上部には鹿の像、渡りきって右の欄干上部には猿の像が我々を迎えてくれる。林道に入る道路は舗装され歩道にはレンガ色のインターロッキングが敷き詰めてあり周りの緑の木々とマッチし美しい勾配は除々に急になってきた。屋久島総合公園でトイレ休憩、登り坂はしばらく続く。途中の分岐点で誘導員が登り坂は後800m位ありますと言われた時はがっくり。城ヶ平城跡の案内板を左手に見歩行、やっと下り坂。今朝スタートした宮之浦漁港が眼下に見える。泊川ステーションで給水トイレ休憩、日差しが除々強くなり蒸し暑い。アップダウンが続き志戸子ガジユマル園に到着。園内を見学。樹齢200〜300年ともいわれているガジユマルの巨木が生い茂りまるでジャングルの中にいる気分だ。先があるのであまりゆっくり出来ず出発。11時50分、矢筈(やはず)ステーションで35kmコースのチェックポイントを受けた後、約250m位坂道を下り矢筈嶽神社参拝。この社の祠は種子島まで続いていると語り継がれている。一湊(いっそ)海水浴場で昼食、トン汁、つきあげ(魚のすり身をあげたもの)をご馳走になった。12時30分出発、一湊漁港を通過し町なみを過ぎた地点からまた登り坂となる。食後の坂道は辛い。湊川沿いに山道を登ったり下ったり大分疲れてきた。途中誘導員さんが用意した杖を借用して吉田町生活館に到着。この会館はNHK朝の連続テレビ「まんてん」のロケ地(運動会のシーン)。この他、屋久島では宮之浦岳、縄文杉、大川の滝、中間ガジユマル等々でも撮影が行われた。ここで給水し、後は海岸線を歩行するだけ。右手の海上に薄ぼんやりと口永良部島(くちえらぶしま)が見える。ゴールまで後2km、永田地区の永田いなか浜、永田前浜では5月〜8月にかけ海カメが上陸産卵するので海がめの里として有名である。永田公民館に15時05分ゴール。本日の宿泊は民宿「やまちょん」シャワーを浴びシャトルバスで野外パーテー参加のため宮之浦の中央会場迄戻る。18時屋久島ツーデーマーチ大会実行委員長の挨拶で開宴、乾杯後各テーブルで歓談、ゲストに水戸黄門の八兵衛役高橋源太郎さんが同番組の主題歌を熱唱、また彼がロカビリー歌手時代の曲を数曲披露し昔を懐かしむウオ―カ達から拍手喝采を受けた。シャトルバスで民宿へ22時就寝。
 

東シナ海に突出た立神岩

大川(おおこ)の滝

霧の中の白骨樹

第2日目
永田公民館広場で恒例の出発セレモニー後、8時10分スタート。参加者は200余名、天候は昨日同様曇り、本日は大川(おおこ)の滝まで25kmの歩行。昨夜同室の京都府綾瀬市から参加の今井さんより海カメ上陸産卵の跡を見に行きませんか?との誘いを受け、スタート直後コースアウトして砂浜を歩行。波うち際から砂浜へブルドーザーのキャタビラの様な跡が何本も見ることが出来た。多い日には数10頭のカメが上陸、一回の産卵でピンポン球のような卵を130個前後産み落とすそうだ。嶽之川橋手前でコースに戻る。9時10分雨が降り始めてきた登り下りの山道を歩行雨具の下から汗がじわじわと出てくる。屋久島灯台入り口T字路を右折、灯台まで行き戻ってくる健脚ウオーカーとすれ違い灯台に到着、雨に加え風が強くなってきた。昨夜宿泊した民宿「やまちょん」のご主人が屋久島灯台の名誉灯台長、また昨夜同宿だった海上保安庁の職員の方々が我々ウオーカーを歓迎して下さった。10数年前までは灯台に常駐していたそうだが、現在は一ヶ月に一度保守点検に來所するとのこと。灯台を見学後、今下ってきた道を戻り西部林道へ入る。このエリアが世界自然遺産に登録されている今日一番の見どころである。海抜0mから1,935mの間でさまざまな植物がみられる、それらが自然のままで下から上まで連綿と繋がっているのは、この地域だけである。マングローブや昭葉樹の林、白骨樹林、ヤクザサなど植物が標高に応じて棲み分けている様子が一目でわかる。また林道の脇に動物注意と書かれヤクザルやヤク鹿の絵が入った交通標識が立っている。ヤク鹿は写真を撮る為、そばによっても逃げる素振りも見せない。非常に人なつっこいヤクザルも落石防止ネットの上に数匹が腰を掛け、毛つくろいをしている。川原ステーションで給水トイレ休憩(25kmコースチェックポイント)。鹿見橋を過ぎる地点から道路が舗装され広くってきた、所々で現在は廃道となった旧道と交差している。長い下り坂、右前方に海岸線まで落ち込んだ原生林とその先の大きな岩石へ東シナ海の打ち寄せる波しぶきが雄大で美しかった。13時20分ゴール大川の滝に到着した。この滝は、日本の100滝にも選ばれており高さ88mの断崖から豪快な水しぶきを上げ落ちる様はダイナミックだ。ゴールのチェックを受けシャトルバスで宮之浦へ。今夜の宿は5/9に宿泊した宮之浦の民宿『岳杉』


3日目
せっかくウオーク参加者45名。6名のガイドさんに引率されバスで白谷雲水峡管理棟から太鼓岩までの往復5時間(片道5km)の狭い急なアップダウンコースへ。足元は花崗岩の為スリップせず歩き易い。飛流おとし、さつき吊り橋、楠川歩道(江戸時代に作られた旧道)二代くぐり杉、くぐり杉、七本杉、もののけ姫の森まで登り辻峠で二班に別け太鼓岩まで登ったが霧がでており白骨樹数本しか見えず、太鼓岩を平手で数回たたき太鼓の音を聞いて下山した。晴れていれば周辺の美しい景色が見ることが出来たのに残念。

この大会に参加される皆様へ:荷物の移動は主催者が行ないます。野外パーテーに参加の方また、二日目のスタート地点(永田公民館)までシャトルバスを運行してくれますので、一日目スタート地点の宮之浦に連泊なさった方が楽かと思います。
以上