日本マーチングリーグ
第11回奥の細道鳥海ツーデーマーチ
近藤 源司
大会前日上野発夜行の寝台特急で向った山形の遊佐(ゆざ)の駅に朝5時過ぎに到着したら何と無情の雨。主会場での出発式のあと25kmコ−スでスタ−ト間もなく雨上がる。しかしお目当ての鳥海山の勇姿は依然雲のなか。歩幅の大きい前を行く長津氏の一歩後ろを、歩き方を真似て行くが足の長さばかりは如何ともし難い。
ウォ−キング
鳥海山麓 荻の風 たけなわの秋 友と歩けり
行き交う土地の人は大人も子どもも親しくあいさつをしてくれる。如何にもさわやかで心がなごむ。近年失われつつある人情がここではしっかりと息づいているのがうれしい。歩くほどに見渡す限りの稲の波さすが庄内米どころだ。また少し行くと真っ白な蕎麦畑
鳥海の やさしき風や
蕎麦の花
垂れている稲穂や白い蕎麦の花に鳥海からのそよぐ風が何とも気持ちよい、歩速5,5km位か正午過ぎゴ−ル。夕方のウエルカムパ−ティでマスタ−ウォ−カ−の記念表彰を受ける。おまけに彩りゆたかな「花笠」をもらう。
翌二日目は昨日の日本海を見ながらのウォ−クと反対に山に入る。さすが自然豊かな郷、あちこちに湧水がある、歩き疲れ渇いた喉にはこの湧水は甘露、甘露、実にうまい!おもわずここで一句 湧水を 掬ふ掌の椀
秋の雲 まさに至福のときでした。
ゴ−ルで完歩賞とお弁当をもらい体育館で着替えて帰途についた。今日は富士山の見える所だったらダイヤモンド富士だったとか。富士山ではなかったが、
山の端に 懸る夕陽や
秋惜しむ
何といっても「健康のありがたさ」をしみじみ感じた今年の鳥海ツ−デ−マ−チでした。(了)