紀行

健康ご利益めぐり-25 豊島区


平野 武宏

寅次郎の住む豊島区の健康ご利益。地元なので寄り道の大サービスです。
最寄駅は代表例です。寄り道の価格は訪問時のものです。
[豊島区]

[諸病平癒]真性寺 江戸六地蔵
 巣鴨3-21-21 
                  最寄駅 JR巣鴨駅 


旧中山道(今は巣鴨地蔵通り)入口にある真言宗のお寺です。とげぬき地蔵の高岩寺が来るまでは巣鴨のお地蔵様と言えばここでした。深川の僧、地蔵坊正元が衆生から浄財を集め江戸主要街道6つに建立。2014年は開眼300年祭です。
寅さん歩その6江戸六地蔵めぐり」を参照ください。
[諸病平癒]高岩寺 とげぬき地蔵  
           巣鴨3-25-2  最寄駅 JR巣鴨駅


曹洞宗のお寺でご本尊は延命地蔵菩薩で秘仏とされ未公開。
慶長元年(1596年)神田明神下同朋町に創建、明暦の大火後に下谷屏風坂に移り、明治24年(1891年)巣鴨に移転してきました。
病に悩む女性が日頃信仰するお地蔵様に病気平癒を祈願した所ある日夢枕に一人の僧が現れ「この地蔵菩薩の御影を1万体、紙に写して川に流しなさい」とのお告げがあった。お告げに従うと病は間もなく全快。この御影が奉納されたのが高岩寺です。
     
その後、この御影を分けてもらった旅の僧が、誤って口にくわえた針を飲み込んで苦しむ女中にその御影を飲ませたところ女中は腹中のものをすっかり吐き出し元気になったとのことで以来、体のとげを抜く(痛い所の痛みを取る)お地蔵様として有名になりました。
心のとげも抜くそうですのでお試しあれ!お地蔵様は秘仏で本堂奥に納められているとのこと。「御影」は財布や定期入れなどに入れて肌身離さず持っておくと、ご利益が高まると言われています。4のつく日が縁日で賑わいます。
またこの地域は昔から植木屋が多く住み、菊の栽培が盛んに行われていました。
写真右上は境内での「巣鴨菊祭り」です。

[諸病平癒]高岩寺 洗い観音

 


高岩寺境内にあり、お参りに行列のできる観音様です。檀家のひとりだった屋根屋喜平次が明暦3年(1657年)の大火で亡くした妻の供養で観音菩薩を寺に寄進したのが始まりとのことです。
自分の悪いところに水をかけ、以前はタワシでごしごし洗っていましたが、仏像がすり減ってしまうので白布で洗うようになりました。布は100円で売っています。
本物のとげぬき地蔵は見ることが出来ないためか、この観音様の方が有名になり、こちらが「とげぬき地蔵」と勘違いしている方が多いようです。
写真右は後ろに鎮座の初代洗い観音で、ご開帳の時の貴重な写真です。

 [寄り道] 食べるご利益 おせんべい


巣鴨地蔵通り商店街にはご利益ものが沢山あります。
ひろまさ本舗の開運厄除 おせんべいはお地蔵様の形をしていて「身体の痛い所から食べるとご利益あり」とのメモがありました。
「身体の悪い所から食べるとご利益あり」と書くと、多くの人がお地蔵様の頭から食べる傾向があるので・・

[ガン封じ]巣鴨庚申塚    巣鴨4-35-1
                     最寄駅 荒川線 庚申塚駅


巣鴨地蔵通り商店街を通り抜けると、右側にあります。中国道教思想で人間の体の中には三尺 (さんし)の虫が住みついて、これが庚申の夜に人間が眠っている間に身体から抜け出し天に昇り、天帝にその人の罪過を告げると言われています。天帝はこの罪過の程度でその人の生命を縮めるとのこと。
そのため、人々は眠らないで寺にこもったり、広場や家に集まり、庚申様成る掛け軸をかけ、おしゃべりをしながら夜を明かしたそうです。
この習俗が庶民の間で爆発的に広まり、これに応じ庚申塔も建てられました。
江戸時代に特に広まった庚申信仰で道祖神の猿田彦大神を祀ります。
室町時代の文亀2年の建立。旅人の安全を祈り、街道の道筋に置かれました。ここは旧中山道で板橋宿の手前です。
ガン封じのご利益もあると聞き、念入りにお参りしました。
都電荒川線の踏切を越えると、右側がファイト餃子のお店です。

 [寄り道]ファイト餃子店  西巣鴨3-7-3
                   最寄駅 荒川線 庚申塚駅

東京に最後に残った都電荒川線で来ると、庚申塚駅で降り、巣鴨地蔵通りの反対側(左側)に行くと道の右側にあります。

11時30分開店すると、すぐに満席となる人気のお店です。
餃子好きな寅次郎、評判を聞き、引越して最初に来たお店です。
写真上右は餃子定食(10個)670円。餃子10個単品では450円。
稲荷寿司のような形をしていますが、外はフランスパンの生地を使い、
歯ごたえがあります。

 [寄り道]おにぎり専門店 ぼんご 北大塚2-16-3 
                   最寄駅 JR大塚駅北口


大塚駅北口にあるおにぎり専門店です。12人で満席のカウンターに座り、52種のメニューから注文すると、目の前で握ってくれます。おにぎり2個570円(とうふ味噌汁付き)3個だと820円。コンビニのおにぎりより割高ですが、大きめで握りたてのおにぎりは2個でお腹が膨れます。珍しいおにぎりが食べられると行列ができるお店です。上右写真はジャコマヨネーズとあさりのおにぎりです。メニューから電話で注文しテイクアウトの客も多いです。11時30分~24時まで営業。日曜日は休み。
2年前に転居した頃は毎回新しいおにぎりを注文していた寅次郎です。
(写真右上のメニューで一度食べたおにぎりをマークしています。まだ52のメニューの46%です)

[眼・長寿延命]鬼子母神 北辰妙見菩薩  
        雑司ヶ谷3-15-20  最寄駅 荒川線 雑司ヶ谷駅


北斗七星を神格化したものですが、尊像はいつ建立された不明とのこと。
昭和51年(1976年)4年間にわたる鬼子母神堂の大改修の時に発見された棟札により、お堂(写真左)は天明8年(1788年)徳川第11代将軍家斉の時代の建立(鬼子母神本堂建立の122年後)とのこと。鬼子母神本堂の裏側にあるので見逃さないように!
写真上右の本堂の鬼子母神の鬼の字は鬼から改心して神様となったので上に ノ(つの) がないのが正しいのですが、パソコンにないので ノ(つの) を付けた鬼の字になっています。長寿延命をはじめ除災招福、特にその名称の妙見から眼病平癒にご利益があると尊崇されています。
鬼子母神については「寅さん歩 その4-3 大江戸福めぐり 雑司ヶ谷七福神」を参照ください。

[悪病退散]長崎神社 長崎1-9-4 
                   最寄駅 西武池袋線 椎名町駅

説明板によると「長崎村の鎮守で創建年代は不詳。隣接する金剛院は神仏分離令までは長崎神社の別当寺。元禄年間(1688~1704年)に始まると伝えられる獅子舞は五穀豊穣と悪病退散を願って江戸時代から長崎村の人々により伝承されました」と記載。
すぐ近くは帝銀事件の舞台となった帝銀椎名町支店があった場所でした。
[皮膚病]小城山観音堂 長崎4-23-6 
                   最寄駅 西武池袋線 東長崎駅


駅北口に降り、案内地図で確認し、豊島長崎郵便局の先を左折した右側にありました。
最初は通り過ぎてしまい、戻りました。少し荒れ果てた感じで残念です。
当時は死の病だった疱瘡(皮膚病)のご利益があります。
 [こぼれ話] 「永久平和を願って」の碑 東池袋中央公園
             東池袋3-1-6 最寄駅 池袋駅

来年(2015年)で太平洋戦争終結から70年となり、遠い昔となりました。
昭和53年(1978年)池袋サンシャイン60(写真下左)が建ち、行楽街・繁華街となっているこの地(巣鴨プリズン跡地)の過去も忘れられようとしています。
極東国際裁判(東京裁判)で絞首刑の判決を受けた7人のA級戦犯や50人以上のBC級戦犯が拘留され・処刑された場所です。
サンシャイン60裏の東池袋中央公園の隅に「永久平和を願って」と記された小さな石碑がありました。(写真下右)


碑の裏には「第二次世界大戦後東京市ヶ谷において極東国際軍事裁判所が評した刑及び他の連合国戦争犯罪法廷が課した一部の刑がこの地で執行された。戦争による悲劇を再びくりかえさないために、この地を前述の遺跡とし、この碑を建立する。昭和21年6月」と記載。戦犯の記念碑にならないようにとの配慮がうかがえる文章です。
ある人はプリズン跡地に建つサンシャイン60のビル(写真上左)を「墓標のようだ」と言ったとか・・
「戦争を繰り返してはならない!」を忘れてはいけないと心に誓う寅次郎です。
      
次回は品川区の健康ご利益です。

平野 寅次郎 拝