紀行

健康ご利益めぐり-29 中野区


平野 武宏

中野区の健康ご利益です。この方面はあまり来たことがない地です。当初は西新井大師(足立区)と新井薬師(中野区)の区別がつかなかった寅次郎です。
最寄駅は代表例です。寄り道の価格は訪問時のものです。

 
[中野区]

 
[眼・病気平癒]新井薬師(梅照院薬王寺) 

   新井5-3-5 最寄駅 西武新宿線 新井薬師前駅


駅南口から商店街を抜けるとあります。眼病平癒、病気平癒、開運厄除、家内安全、心願成就などのご利益あり。8の日が縁日とのこと。天正年間(1573~92年)に元北条家の侍だった僧の行春が開いた。5代住職玄鏡の頃、夢の中に如来様が現れ「修行に努め、信心も厚いので15歳以下の子供ならどんな病をも治す薬の作り方を教えよう」と告げ、作って子供に与えたら病気は全快したとのこと。
宗派を問わず病気平癒、江戸時代には特に眼病に効験ありと信じられています。この薬を「夢想丸」と名付け評判になった。15歳以上でも15歳のつもりで飲めば効能があるとされ、新井薬師は子育て薬師と呼ばれました。ご本尊の薬師如来像は両手で薬壺を持ち中身は夢想丸と言う薬だそうです。
また寛永6年(1629年)二代将軍徳川秀忠の娘が悪質な眼病で患い、八方手を尽くしたが効なく、万策尽きて新井薬師に祈願、全快したとの言い伝えあります。

   
[諸病平癒]新井薬師(梅照院薬王寺)

        
 不動明王・お願い地蔵


境内の不動明王の前にお願い地蔵がありました。
お参りの人が柄杓で水をかけていましたので、浄行地蔵と思われます。

 [イボ取り・こぶ取り]福蔵院 垢離不動尊  

    白鷺1-31-5  最寄駅 西武新宿線 鷺ノ宮駅


駅南口を出て川を渡り、すぐ左折すると福蔵院の境内の外に小さな地蔵堂があります。「垢離不動尊」と書かれてありますが、「イボ取り地蔵」と近在の人にから親しまれているそうです。
小石を供え、願をかけ、治ったら団子を供えるのだと言われます。足もとに小石が置いてありました。

 [こぼれ話]福蔵院 十三仏

福蔵院(真言宗豊山派)の山門に回り、入るとすぐに十三仏がありました。


練馬区長命寺で見た十三仏と同じもので、初七日から三十三回忌までの死後の十三の忌日をつかさどる仏菩薩です。
室町時代以降、民間で広く信仰されたそうです。いずれの仏も銘によると1600年~1700年代の建造だそうです。

   
[こぼれ話]子連れ願掛け地蔵 

   上鷺宮1-2  最寄駅 西武新宿線 鷺宮ノ駅












駅北口から中杉通り沿いに歩き「こぶし園」信号の角にぽつんと立つ二体の北向き地蔵がありました。
説明板によると「この地蔵に祈願する人は深夜に白装束をまとい、祈りながら小さい地蔵を倒すすると大きい地蔵が倒された小さい地蔵を起こして欲しくて願い事をかなえるのだ」と記載。
小さいお地蔵さまは子供で、子を思う親の心を利用しているようだ。
倒される小さな地蔵の後ろには倒れて傷つかないよう支えの棒が取りつけられていました(写真上右)昔の人は願い事をかなえてもらうために、いろいろなお地蔵様を考えるものだと感心した寅次郎でした。

 [瘧(おこり)]江古田原観音堂 青面金剛 

   江原3-12 最寄駅 大江戸線 新江古田駅


昭和初期の区画整理で付近の石仏や庚申塔などがここ観音堂と近くの東福寺に集められたそうです。
別名「狐塚」と呼ばれた「金井塚」の青面金剛もそのひとつ。観音堂手前にある写真上左の石仏の右から三番目が青面金剛とのことです。「瘧」(おこり=マラリアのような熱病)の神として知られ、かって庚申の日には丑三つ頃、香華を捧げて祈願したと言われます。
写真上右は観音堂後ろにあった不動明王像です。
(当日は観音堂で葬儀があったため、観音堂の写真はありません)


                     
次回は23区健康ご利益めぐりのアンカーとなりました北区の健康ご利益です。


平野 寅次郎 拝