紀行
江戸・東京の祭-8 | |
(江戸らしい祭-2) |
平野 武宏 | |
年の後半になると、江戸らしいお祭りが続きます [べったら市] 寶田恵比壽神社 最寄駅 日比谷線 小伝馬町駅 |
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大根の浅漬けを米麹の床に本漬けした甘くておいしい漬物「べったら漬け」。 名前の由来は売り子の若衆が「べった、べったら」と唱えたからだとか、荒縄で腰にぶら下げて帰る時、手や着物に麹がべったりついたからだとか言うそうです。 恵比寿講に合わせて神像や供物を売る夷講市でしたが、「べったら漬け」がよく売れたため、今の祭名になったとのことです。10月19日・20日に開催。 20日は恵比寿神に商売繁盛を祈願する恵比寿講の日で江戸の商家では家内に祀られた恵比寿と大黒さまを座敷に移して鯛、お赤飯、鏡餅などを供えます。店も早じまいで、夕方からは親戚や取引先を招いて無礼講の宴を開きます。 19日には恵比寿講に必要な道具・料理を売る市が立ち、べったり市もそれでした。明治に入り、べったら市は寶田恵比寿神社の祭典となりました。 参道入り口から露店が立ち並び、寶田恵比寿神社には明治座のある浜町が近いからか歌舞伎役者の提灯が並んでいました。 「日本橋七福神」の恵比寿様です。 寅次郎、日本橋のべったらを腰にぶら下げずに持ち帰り、家でその味を楽しみました。 |
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[甘藷まつり] 瀧泉寺(目黒不動尊) 最寄駅 東急目黒線 不動尊前駅 江戸五色不動や健康ご利益めぐりで訪れた地で、青木昆陽の墓があるとは知っていましたが、こんな祭りがあるとは知りませんでした。境内は前回とは風景が一変、本堂下の境内は露店やお芋のコーナーで埋まっていました。 |
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江戸時代、甘藷の栽培を奨励・普及した青木昆陽のお墓があることから、この祭りが行われるようになり、青木昆陽の命日は10月12日ですが、毎月28日のお寺の縁日に合わせて10月28日を甘藷まつりにしたようです。 |
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写真上左は大本堂へ向かうご住職一行、写真上右は大本堂近くの露店は「浅草舟和」のみで芋ようかんを売っている、老舗の昔からの縄張りと推察。 写真左は大本堂裏にある国の史跡になっている青木昆陽の墓です。この日は紅白の幕があり、すぐ見つけました。 (寅さん歩その7 江戸五色不動めぐり その10健康ご利益めぐり-3目黒区-1を参照ください) |
[神田古本まつり] 神保町古本書店街 最寄駅 三田線 神保町駅 |
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10月25日~11月3日開催の古本まつりの横断幕(第55回東京名物と表示)が神保町交差点にあるのをウォーキング中に見つけました。 大通りに面した書店の前やビルの間の路地にも本が山積でした。 |
[神宮外苑いちょう祭り] 外苑いちょう並木噴水周辺 最寄駅 JR信濃町駅 |
11月15日~12月8日開催。平成26年(2014年)は第18回です。 色づくとTVのニュースにも取り上げられ、ウォーキングの例会でもこの時期にはコースになります。いちょう並木は大正12年(1923年)に代々木の宮内省南豊島御料地内(現在の明治神宮内)の苗園で樹高6m内外に成長した木々を樹高順に青山口から聖徳記念絵画館(写真上左)に向かって約300mに渡って9m間隔で146本植栽されているそうです。 聖徳記念絵画館(明治天皇・照憲皇太后のご在世中の業績を伝える大壁画が展示)をより雄大に見せる工夫がされているそうです。 いちょう並木の先では全国からの模擬店で賑わいます(写真上右は会場マップ)比較的人出が少ない平日のお出かけがお奨めです。 |
[岩本町・東神田ファミリー バザール] 最寄駅 新宿線 岩本町駅 11月28日~30日、12月5日~7日に開催。JR東日本小さな旅のお祭イベント情報で知りました。現地でもらったチラシには「江戸より地域の伝統を引き継ぐ第71回」と記載。次回の第72回は平成27年(2015年)5月・6月と記載で年2回開催のようです。 |
昭和通りから清洲橋通りまでと脇道にお店が並んでいました。 この界隈は繊維の街ですので、衣料品が主ですが、日用雑貨もありました。期間中出店者から購入した商品はバザール実行委員会が責任を持って対応するとチラシの裏面に出店名、店NOのリストが記載。店はNO185までありました。11月の最終日だったので寅次郎の気に入ったスニーカーはサイズ売り切れでした。 |
[どぶろく祭]日本橋 小網神社 最寄駅 浅草線 人形町駅 |
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ここのお守りを持った第二次大戦出征兵士が全員生還した・東京大空襲でも奇跡的に残ったと「強運 厄除の神」・「東京銭洗い辨天の社」として由緒ある神社です。お正月に「東京下町八福神参り」で訪れた時に11月28日の祭の存在を知り、手帳に書いておき、忘れずに訪れた寅次郎です。 福禄寿と辨財天も祀られていて、「日本橋七福神」にもなっています。 新米で白神酒(どぶろく)を醸し、参拝者に振舞ったことからこの名があり、室町時代の文正元年(1466年)の神社創建以来行われているとのこと。強運祈願の女性参拝者が多いのに驚いた寅次郎です。 写真上左のポスターにある「みみずく」はお守りとして1体2,500円で売られていました。写真右の女性の列は買い求める人達で長い行列の先頭でした。 寅次郎は「みみずく」はパスして、巫女さんから紙コップ入りのどぶろくをいただき神様と共に秋の稔りを祝いました。「ご参拝ありがとうございます」と巫女さんからいただいた品を家に帰り開けると「御神酒 小網神社 強運」旭日1合(新嘗祭御神酒謹醸元 藤居本家謹醸)でした。寅次郎、謹んで「強運」をいただきました。(寅さん歩その10健康ご利益めぐり-18中央区を参照下さい) |
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[こぼれ話] 東京下町八福神参り |
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次回は花の祭です。 平野 寅次郎 拝 |
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