紀行
江戸・東京の祭-25 | |
(花の祭-7) |
平野 武宏 |
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紫陽花や菖蒲の祭は桜やバラの祭と異なった落ち着いた雰囲気を醸し出します。文京区の五大花祭りに「紫陽花祭」があります。 [文京紫陽花祭 白山神社] 最寄駅 三田線 白山駅 白山神社は富士塚めぐり(白山富士)や健康ご利益めぐり(歯の神様)で訪問した、おなじみの神社です。第31回文京紫陽花祭は平成27年(2015年)6月6日~14日です。 |
白山神社は平安時代までさかのぼる古社。文京の地に移ったのは江戸時代。 五代将軍綱吉とその生母桂昌院の篤い信頼を得ていましたが、庶民の間でも「歯の神様」として慕われました。いつもは静かな境内が華やかに賑わうのはあじさいが咲くこの時季です。先代の住職が6月4日の「虫歯予防デー」にちなんでこの時季に咲く、あじさいを植えたのが始まりとのこと。 今では約15種類、3000株のあじさいが境内を彩ります。歯ブラシの供養や歯の相談コーナーもあり。あじさいは雨上がりに特に映えます。 |
社殿の裏にある「白山富士」(富士講)(写真下)はあじさい祭りの時期のみ公開され、紫陽花の中を上ることが出来ます。 |
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寅さん歩 その9 東京の富士塚めぐりー2、その10 健康ご利益めぐり-11 文京区ー2を参照ください。 葛飾区では6月5日~25日に水元公園と堀切菖蒲園の2会場で「葛飾菖蒲まつり」が開かれます。 水元公園は映画「男はつらいよ」の寅さんの生まれ故郷 柴又の近くです。 帝釈天へのお参り方々、江戸川堤を歩いて出かけました。 |
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帝釈天近くの山本亭(写真下左)や江戸川の矢切の渡し前(写真下右)でも菖蒲が楽しめました。 |
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[葛飾菖蒲まつり 水元公園] 最寄り駅 JR金町駅からバス利用 100種、約1万4千株が咲き誇る都内最大の菖蒲田です。柴又の寅さんも旅から帰ると良く訪れた場所です。 |
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[葛飾菖蒲まつり 堀切菖蒲園] 最寄駅 京成線 堀切菖蒲園駅 駅から菖蒲園前までには「あじさい通り」がありました。後ろは荒川です。 |
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この地は今から700~800年以前の葛西氏所領の頃から「堀切」と呼ばれ、城塞があったとのこと。この地への花菖蒲の伝来時期はあきらかではありませんが、(一説では室町時代の初め)江戸時代文化年間(1804年~1817年)に当時の農民、伊左衛門により栽培されたのが始まりと言われています。 江戸の名所の一つとして知られて、その景観は安藤広重や歌川豊国の錦絵の題材にもなりました。小高園、武蔵園、吉野縁園、堀切園、観花園などが競い合いましたが、相次ぐ水害などで廃園になり、堀切園のみが残り、東京都が買収し、昭和35年6月に都立公園として開園、昭和50年4月葛飾区に移管されたとのこと。200種、約6千株が栽培時期別に区画された菖蒲田に咲き、それぞれ花の名前の表示があり、参考になりました。 [花菖蒲 皇居東御苑 二の丸庭園] 最寄駅 三田線 大手町駅 寅次郎お気に入りの皇居東御苑 二の丸庭園の花菖蒲です。 さすがに皇居の花菖蒲には気品を感じさせます。 [花菖蒲を楽しむ 小石川後楽園] 最寄駅 大江戸線 飯田橋駅 |
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水戸黄門様ゆかりの名園、都心のオアシス小石川後楽園では青や紫に染まる優雅な花菖蒲を楽しむイベントが6月6日~21日開催です。 660株あるとのこと。 |
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江戸の町民、大名、将軍様、天皇様が楽しんだ各地の花菖蒲が楽しめました。 [こぼれ話] 江戸のしばられ地蔵 水元公園の菖蒲園の近くの南蔵院に「しばられ地蔵」がありました。 「しばられ地蔵」とは昔、呉服屋の手代が地蔵の前で休憩、居眠りをしているうちに、反物を盗まれてしまい、奉行所に訴えました。南町奉行の大岡越前は地蔵が怪しいと言って、荒縄で縛り、奉行所に運んだので物見高い見物人が一緒に奉行所に入ってしまいました。 許しもなく入った人々に罰として三日以内に反物を持参させました。その中に盗品があり、犯人を検挙しました。 以降、願い事の際に地蔵を縄で縛り、願いが叶うと縄を解くと言う信仰が広まったそうです。三年間の「寅さん歩」で都内三ケ所の「しばられ地蔵」にお会いました。 いずれも個性ある「しばられ地蔵」です。
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