ヒマヤラトレッキング紀行


中畠 正喜

 ヒマラヤ・トレッキングに行ってきました。乾期の2014年10月17日から11月4日まで19日間の添乗員付きの11人のパッケージツアーです。
 今回のトレッキングに行くきっかけは、昔現役のころ登山学校の卒業山行のヒマラヤ・トレッキングに仕事で行けなかったので、退職後ぜひ行こうということになりました。最初に友人から、エベレストを見にネパール東部のヒマラヤのカラパタールかゴーキ
今回のトレッキングの最高峰
レンジョパス(5,340m)で
ョピーク・レンジョパス越えのどちらにするかといわれて、広い展望の得られるゴーキョピーク・レンジョパス越えで、しかも少しでも快適なロッジ泊がいいと意見が一致しました。カラパタールは、もっとエベレストに近いのでエベレストが大きく見えるようです。最初は高山病が心配でした。マレーシアのキナバル山(4,000m位)に2年前に登ったことがあります。その時も頂上近くで少し生唾のようなものが出て足の運びが遅くなりしんどくて頂上はやめようかと思いましたが、結局頂上まで行けました。
今度は、最高地点が、5,360mで、キナバル山よりずっと高いし、5,000mになると酸素濃度が地上の2分の1に減ると聞いていたので心配でした。友人は、私より年長で海外登山は初めてで高所登山の訓練をする所に何回か通ってそれなりに自信を持ったようでした。私は、特にそういう訓練する所には行きませんでした。案ずるより産むが易しで、行ってみると高山病症状は、大したことはありませんでした。ただ高山病対策としては、毎日少しづつ高度を上げていき水分を大量にとりそのうえ利尿剤も飲みました。毎日朝夕健康状態を申告し血中酸素濃度をチェックされました。
 カトマンズから国内線でルクラに飛びルクラから毎日歩いてゴーキョピークに登り、レンジョパスを越え一周してルクラに戻ってきました。少し食欲がないときもありましたが、人の足を引っ張ることもなくエベレストをはじめ、真っ白い雪と氷のヒマラヤの山々を見てきました。道は江戸時代のような舗装されていない石ころの多い道で、荷物の運搬は、ポーターや、牛・ヤク・ゾッキョが運びます。馬車のような車輪の付いたものは見かけませんでした。急坂の多い山道で、時々渓谷を渡る吊り橋もあるので馬車は通れません。
エベレストシェルパリゾートの庭で
 後方左の山がエベレスト(8,848m)
 ロッジは一部屋二人で簡単なベッドがあり沢山着込んで寝袋に入ってその上に備え付けの毛布など掛けて寝ました。ストーブの燃料は、最初は薪ですが高度があがるとヤクの糞を乾かしたものでした。湯たんぽ代わりに水筒にお湯を入れてもらい寝袋に入れました。水分をたくさん取っているので夜トイレに起きるのが寒くて少し億劫でした。上の方はトイレの床も凍っているので要注意でした。食べ物は、同行のコックさんが作ってくれますが、肉類はゼロでジャガイモやニンジン・キャベツなどをよく食べましたが、少し飽きました。首都カトマンズは、喧騒と交通混雑でしたが、下山して食べたすき焼き定食や日本風のそばが、涙が出るほどおいしかったです。
 帰ってきて5ヶ月たちますが雄大なヒマラヤの景観が懐かしく、素朴だった現地の人たちが思い出されます。機会があればネパール中部のアンナプルナ山群や、もっと高いアフリカのキリマンジャロ(5,800m位)に行きたいと思います。

ヒマラヤの全景 左端がエベレスト

ツアー仲間 氷河で休憩

(中畠正喜さん 会員No.1217 2007年6月入会) 

この原稿は会報5月号に掲載したものです。
ホームページ掲載が遅れました。