紀行

寅さん歩 その12
東京の紅葉・黄葉-3
     
平野 武宏

平成27年(2015年)東京都心の紅葉・黄葉は昨年より1週間程度遅く、盛りになりました。12月5日~12日までに新たに訪れた地の紅葉・黄葉を紹介します。最寄り駅は代表例です。

 [石神井公園周辺]

   最寄り駅 西武池袋線 石神井公園駅

石神井池と三宝寺池の二つの大きな池がある練馬を代表する自然にあふれた石神井公園は桜の名所と聞いていて、訪れる機会がありませんでした。石神井川沿いを歩くウォークで今秋に訪れ、素晴らしい紅葉・黄葉に出会いました。

 
 [三宝寺池]  


井の頭池や善福寺池と並ぶ武蔵野三大湧水池のひとつで雑木林の中の散策路から水鳥や野鳥が観察できます。また浮島には天然記念物に指定されている沼沢植物群落があるそうです。

 
 [三宝寺]

池の名にもなっているこの寺は南北朝時代に開山されたと伝えられ、豊島氏の石神井城落城後に太田道灌が現在地に移したとのことで、後北条氏や徳川家からも加護を受けた格式ある寺とのこと。



 
[道場寺]

三宝寺のすぐ近くにある道場寺は石神井城主の豊島一族の菩提寺で紅葉の名所でした。






三重塔(左)や鐘楼(上)に紅葉が映えています。

 [豪徳寺]

  
最寄り駅 東急世田谷線 宮の坂駅

桜田門で討たれた大老 井伊直弼の井伊家菩提寺や招き猫で知られる豪徳寺は隠れた紅葉の名所でした。






寅さん歩その8 東京発祥之地めぐり(産業・商業1-1)参照ください。

 [新宿御苑]

   最寄り駅 丸の内線 新宿御苑前駅

信濃高遠藩 内藤家の下屋敷は明治になり宮内庁に移管され、皇室の果樹や花が栽培される農場になりました。
第二大戦後、環境省管轄となり広大な国民庭園となりました。昨年も訪れましたが、今年は内藤家屋敷跡の面影が残る大木戸門から入りました。


 [小石川後楽園]

   最寄駅 大江戸線 飯田橋駅

江戸時代初期の水戸德川家の上屋敷に造られた築山泉水回遊式の日本庭園。国の特別史跡及び特別名勝に指定の名園です。
11月26日にはまだ青かった葉が12月5日にはこのようになっていました。


 [浜離宮恩賜庭園]

   最寄駅 大江戸線 汐留駅

東京湾の海水を取り入れ潮の干満で景色の変化を楽しむ、潮入り回遊式築山泉水庭園。徳川将軍家の庭園、明治維新後は皇室の離宮となった名園。
第二次大戦後、東京都に下賜され、庭園として公開されました。
広い庭園なのでこれまで紹介していない場所の紅葉です。


  [池田山公園」 

   最寄駅 JR 五反田駅

江戸時代の寛文十年(1670年)に岡山藩池田家の下屋敷が出来たことからこの一帯は池田山と呼ばれるようになりました。当初は一万一千坪以上の広大な敷地に山あり、谷あり、鴨場まであったそうです。大正末期には住宅地に分譲、縮小しましたが、品川区が購入、昭和60年(1985年)から区立公園となりました。低地に池を配した「のぞき池方式」とも言われ、四季の花々が楽しめます。紅葉の時期に初めて訪れました。




 [こぼれ話]桜と紅葉

東京に移り住んで3年半の寅次郎、東京にこんなに多くの紅葉の名所があるとは知りませんでした。京都や地方に出かけなくとも、都内で十分楽しめます。
それにつけても春には開花宣言、桜前線、桜祭り、お花見と大騒ぎされる「」に対して「紅葉」の扱いがあまりにも少ないと感じました。
「紅葉狩」の言葉もありますが、紅葉の下でお弁当を広げて大騒ぎしたなど聞いたことがありません。みんなで「紅葉」をもっと盛り上げましょう!!
      

次回はその11 江戸・東京の祭-37(江戸らしい祭-18)です。



平野 寅次郎 拝