紀行




江戸・東京の祭-42
(新しい祭-7)
平野 武宏

 [港区ワールドフェスティバル]

   
~大使館周遊スタンプラリー その3~

平成28年(2016年)1月15日~3月4日開催「港区主催の大使館めぐり」その3です。「港区ワールドフェスティバル パスポート」(表題右の写真)を入手し、記載の条件に従い、行きたい大使館を訪問します。最寄駅は代表例です。

 
[サンマリノ共和国大使館]

   元麻布3-5-1 最寄駅 大江戸線 六本木駅

六本木ヒルズの脇を有栖川宮記念公園方面に向かい、麻布消防署の裏にありました。中国大使館が近いので、お巡りさんがうようよいます。
訪問可能日は2月の2回の土日のみでパスポートには「大使館入口でスタンプを押していただきます」と記載。



入口左の机の上にスタンプとパンフレット(写真下)が置いてありました。



寅次郎、知らない国でした。パンフレットによると、イタリア半島中部、アドリア海側に位置する世界で5番目に小さな国、東京都の世田谷区とほぼ同じ面積。世界最古の共和国で平和と自由を重んじ、軍隊を持たない国。首都はサンマリノ市。
伝説によれば、紀元301年、ダルマチア人の石工であった「マリノ」がカトリック教徒であったため、ローマ皇帝の迫害を受け、それを逃れて、ティターノ山に登り、ここで伝道を続け、彼の元に次第に集まった人々により形成された住民社会が「サンマリノの起源」といわれています。
「サンマリノ」とは「最も清らかな」の意味もあるとのこと。
1253年に最初の共和国体制が出来上がったとのこと。(周囲を取り囲む、イタリアは1861年に王国に統一、1946年に現在の共和国になっています)石造りの中世の街並みが完璧に残され、建国以来の一貫とした国の歴史が世界文化遺産に登録されたとのこと。

 [モルディブ共和国大使館]

    麻布台1-9-10 飯倉ITビル8F 
    最寄駅 日比谷線 神谷町駅

飯倉交差点角の飯倉ITビルの8階、上から3つ下の左窓に国旗が出ていました。


大使館は8階ですが、9階の部屋(写真下左)にスタンプがありました。ハンモックもある南国のリゾート感溢れる部屋の歓迎です。インド洋にある島国、スリランカの南西に位置し、1,192の島々が縦長に点在し、約200の島に人が住んでいるとのこと。
首都はマレで「島々の花輪」の意味とのこと。大使館の訪問記念にバッグのプレゼントがありました。


 [フィリピン共和国大使館]

   六本木5-15-5 最寄駅 大江戸線 六本木駅

モルディブ共和国大使館に続く訪問でしたので、飯倉交差点から飯倉片町交差点方面に向かい、六本木五丁目信号を鳥居坂方面に左折、麻布地区総合支所を左折するとありました。前にはモルディブ共和国大使館の記念バックを持った人が歩いていました。




写真上は玄関ホール、ホール内の右側の受付にスタンプがあり。
東南アジアに位置し、大小7,107の島々からなり、総面積は日本の約80%、ルソン島、ミンダナオ島、サマール島、ネグロス島など主な11島だけで総面積の90%を占め、約2,000の島に人が住み、残りは無人島、環太平洋火山帯に属し50以上の活火山があるとのこと。スペイン・アメリカの植民地支配、日本の武力占領を経て、1946年7月に念願の独立を果たしています。
首都はマニラ。第二次大戦では住民を巻き込んだ日本軍とアメリカ軍の戦闘で多くの犠牲者が出ました。2016年1月に日本の天皇・皇后両陛下が戦後70年の慰霊訪問を行っています。

 [パキスタン・イスラム共和国大使館]

     南麻布4-6-17 最寄駅 日比谷線 広尾駅

広尾駅から有栖川宮記念公園脇の南部坂を上ります。公園内を上っても可です。坂の説明棒に「有栖川宮公園は有栖川宮御用地で江戸時代は赤坂から移って来た盛岡藩主南部美濃守下屋敷なので南部坂。忠臣蔵に出てくる南部坂は赤坂にあり」と記載。公園の端を右折、少し下ると右手にあります。前はフィンランド大使館です。





訪問日は2月の2日間で人数も各50名と予約獲得は激戦。指定の14時30分に訪問すると、写真上の部屋で大使館次席(写真の方ではありません)の話が約40分(英語で通訳付)ありました。
「テロと戦う国、危ない国ではない」、「日本との友好関係が強い」の言葉が印象に残りました。東日本大震災で日本を逃げ出そうとする大使館もあったが、パキスタン大使館は現地に駆け付けたとのこと。日本に12,000人滞在しているが刑務所に入っているのは7人のみ。滞在者の多くは中古車仲介業で、ほとんどの人が日本女性と結婚している。
女性が活躍している国で女性国会議員は日本より多い。1988年アジアで最初に女性首相が誕生。ノーベル平和賞のマララ嬢もいる。
特に医者は女性が多すぎて医師希望の男性が困っている。マンゴが美味しい国、日本で売っているのでぜひ食べてほしい等、熱く語っていました。おかげでパキスタンを知ることが出来ました。
      
パキスタンは南アジアに位置し、東はインド、北東は中国、北西はアフガニスタン、西はイランと国境を接し、南はインド洋に面している。面積は日本の約2倍。首都はイスラマバード、最大の都市はカラチ。国民の80%が国土の中心を流れるインダス川の流域に住む。パキスタンとは「清浄な国」を意味し、1942年イギリス領インド帝国から独立、インドを挟んで同じ国の東パキスタン1971年に分離独立し、バングラデッシュとなっている。

 
[台北駐日経済文化代表処]

     虎ノ門1-1-12 虎ノ門ビル2F
     最寄駅 日比谷線 虎ノ門駅

      
西新橋一丁目交差点にある虎ノ門ビルで入口は右にあります。
駐日経済文化代表処として今回のスタンプラリーに参加です。


2階の受付でスタンプをもらいました。
受付右のロビーでは台湾写真家の写真展をやっていました。台湾は日本の最南端に一番近い国です。日清戦争の結果、1895年に日本へ割譲されました。1912年に明治から大正にかけて日本に留学し、祖国の近代化を目指した革命家 孫文を臨時大統領として中国大陸を代表とした国家 中華民国を設立。孫文の後継者の蒋介石は日本と全面戦争状態に入り、日本の降伏後1945年に中華民国が台湾の統治を引き継ぎました。1949年に中国共産党が中華人民共和国を設立させ中華民国は台湾に政府を移転。多くの国は中国大陸の中華人民共和国(中国)を国際的承認しました。
アメリカ合衆国や日本は中華民国が実効支配している地域を中華人民共和国の地域とは別に「台湾」という地域名称で呼んでいます。
台北市は台湾の首都。東関東大震災では巨額の義援金をいち早く日本に出した国だと記憶していた寅次郎です。

 [モザンビーク共和国大使館]

     三田3-12-17 芝第三アメックスビル6F
     最寄駅 三田線 三田駅


写真上は受付の先にある部屋で、スタンプが置いてありました。
頂いた資料には「数年前だったらモザンビークに観光に行くなどという事は考えられませんでした。内戦の終結と多数政党制の制定に伴い、モザンビークは国連が調停している国々の中で最も成功を収めた模範国として南部アフリカの中で魅力あふれる観光地のメッカとして浮上しました。今こそ訪れるチャンスです」と記載。
アフリカ大陸南東部に位置し、南は南アフリカ共和国、南西はスワジランド、西はジンバブエ、北西はザンビア、マラウイ、北はタンザニアと国境を接し、モザンビーク海峡を隔て東はマダガスカルとコモロが存在しています。首都はマプト。ポルトガル植民地から1975年独立。国名はかってのポルトガル領東アフリカの首都がおかれたモザンビーク島に由来、島の名が全土を称する名前になったとのこと。

 
[ウズベキスタン共和国大使館]

    高輪2-1-52  最寄駅 京浜急行 泉岳寺駅

当初から参加していない大使館のため、パスポートにはありませんでした。港区ワールドフェスティバル ホームページで参加情報を得て訪問しました。情報をこまめに確認することの重要性を学んだ寅次郎です。パスポートには追加の参加大使館用のスタンプを押す余白がありました。
泉岳寺の駅から赤穂浪士が眠る泉岳寺の前を通り、伊皿子坂を上り、伊皿子の交差点を左折、スリランカ大使館の先を左折するとありました。受付の日本人男性は、急に参加が決まったと言っていました。







中央アジアに位置し、北にカザフスタン、南にトルクメニスタンとアフガニスタン、東でタジキスタン、キルギスと接します。1991年に旧ソビエト連邦から独立。首都タシケント(石の街の意味)はシルクロードの中継地として最も栄えた「オアシス都市」。世界遺産が多く残っている国です。



国土の西部はカラカルパクタン共和国として自治を行っており、東部のフェルガナ盆地はタジキスタン、キルギスと国境が入り組んでいる。
国境を最低2回越えないと海に達しない、いわゆる「二重内陸国」の1つとのこと。国名はウズベク人の自称民族名「オズベク」とペルシャ語で「~の国」を意味する「イスタン」の合成語とのこと。

  
2月6日~2月23日までに訪問した6ケ国と1代表処(累計訪問は17ヶ国と1代表処)です。港区の大使館めぐりは次回が最終回です。

次回は新しい祭-8です。


平野 寅次郎 拝