紀行




江戸・東京の祭-44
(新しい祭-9)
平野 武宏

 [港区ワールドフェスティバル]

   
~大使館周遊スタンプラリー その4~

平成28年(2016年)1月15日~3月4日開催「港区主催の大使館めぐり」その4(最終回)です。「港区ワールドフェスティバル パスポート」(表題右の写真)を入手し、記載の条件に従い、行きたい大使館を訪問します。
最後に訪問した4ケ国は事前予約が必要な大使館で3週間前の同じ曜日の10時からイベント事務局のコールセンターに電話をかけ続け、やっと電話が繋がり、予約が取れた大使館です。最寄駅は代表例です。

 
 [ウルグアイ東方共和国大使館]

    西麻布4-12-24 第38興和ビル908号
    最寄駅 渋谷駅からバス利用

西麻布にある8階・9階に14ケ国の大使館が入っている大使館ビルです。寅次郎、その2でエルサルバドル共和国大使館を訪問しています。事前予約でしたが、電話さえ繋がれば訪問可能日は平日の14時~15時30分 各20名でしたので予約が取れました。



南アメリカ南東部に位置し、北と東にブラジル、西はアルゼンチンと国境を接し、南は大西洋に面しています。南アメリカでは二番目に面積の小さな国ですが、ラテンアメリカでは二番目に生活水準が安定し政治・労働状態においても大陸で最高度の自由を保つとのこと。首都のモンテビデオはもともとスペイン帝国の要塞として創設され、18世紀半ばから港湾都市へと発展、ヨーロッパの移民を受け、主にスペイン、ポルトガル、イタリア、フランス、イギリスの影響は街の建物に現れ、20世紀初頭に建てられた建築物は現在でも保存されているとのことです。
この地域は国名となったウルグアイ川東岸地方なので住民は自ら東方人(オリエンタル-レス)と称したとのこと。通称はウルグアイ。スペインの植民地を経て、1828年ブラジル帝国から独立。美しいビーチや温泉がある国とのこと。

 
[ボツワナ共和国大使館]

    芝4-5-10 カーニー・プレイス芝ビル6F
    最寄駅 三田線 三田駅/JR 田町駅

訪問可能日は毎週木曜日各25名。前週の木曜日までは満員で予約が取れなかった寅次郎、2月25日の予約が取れた25名の内の1人です。駅から第一京浜を芝方面に向かうと、左側に国旗が立っているビルがありました。ビルの左の入口からエレベーターで6階へ。写真下左は大使館の受付です。





頂いた資料には「アフリカ大陸の南部に位置する、世界最大のダイヤモンド生産国。周囲を南アフリカ共和国、ジンバブエ、ザンビア、ナミビアに囲まれている。政治、経済共に安定しアフリカで最も治安の良い国のひとつ。首都のハボローネをはじめとする都市で開発が進む一方、一歩離れると放牧を営む、のどかな村が広がる。
野生の楽園 チョベ国立公園ゾウの生息密度が世界一。手つかずの大自然の中で、ゾウの大群に出会うチャンスに恵まれた場所です」と記載。国土面積は日本約1.5倍。1966年イギリスより独立。国名は「ツワナ人の国」を意味するが、隣国の南アフリカ共和国のほうがボツワナの総人口の数倍に及ぶツワナ人が存在するとのこと。

 
 [モロッコ王国大使館]

    南青山5-4-30 最寄駅 銀座線 表参道駅

訪問可能日は2月27日の午前・午後のみで各15名でした。寅次郎、午前に予約ができたラッキーな15名の1人です。
駅から南青山の骨董通りの小路を左に入った場所にありました。寅次郎、昔の勤務地に近いので土地勘がありましたが、古くなり錆びた土地勘は入る路地を間違え、遠まわりしてしまいました。11時に集合、モロッコの紹介ビデオや女性外交官(写真下の三人の中央、右の女性は通訳)への質問、モロッコの国民的飲み物ミントティーやクッキーのおもてなしが12時までありました。









モロッコ王国 モハメッド六世はアラウィ王朝の第23代国王とのこと。1956年フランスより独立。北アフリカ大陸の北西端に位置し、ヨーロッパ大陸とはわずか14kmの距離にあり、ヨーロッパ、アラブ、アフリカが交じり合った独自の文化を保持してきています。

首都はラバト。アラビア語の国名は「マブリブの王国」で、「マブリブ」とは「日の没する地」「西方」を意味するとのこと。アラビア語以外の多くの言語での国名「モロッコ」はかっての首都「マラケシュ」に由来するとのこと。
国の中央に山脈が連なり、南部には砂漠、緑地、ビーチ、美しいゴルフコースとそれぞれの地域で個性があるとのこと。石油は出ませんが、南西部のみに生育するアルガンツリーの実から貴重なアルガンオイルを作り出しました。オリーブの数倍のビタミンEを含み、食用及び化粧用としてアンチエイジング効果が期待できる万能オイルとのこと。

 [カザフスタン共和国大使館]

      麻布台1-8-14 最寄駅 日比谷線 神谷町駅

2月と3月に各1日しか訪問可能日がありませんでした。
寅次郎、ダメ元で電話をかけ続け、3月3日を予約出来た60名の1人です。訪問指定時間は16時でした。飯倉交差点方面からは麻布郵便局手前(道路を挟んでロシア大使館の正門があります)を右折するとありました。


大統領の写真や民芸品が並んでいる2階の小ホールにイスが並び、紹介のビデオ上映がありました。2017年には首都アスタナでEXPO(テーマ:将来のエネルギー)が開催予定で、開催用に作成した国の紹介写真ガイドや画集をお土産にいただきました。





素朴な絵18枚入(左表面・右裏面)



計画的に建設された首都アスタナ(1997年アルマイトから遷都)の近代化には目を見張りました。(写真上左右 写真ガイドより)政府主催の国際コンペで第一位になった日本人建築家 黒川紀章氏の都市計画案に基づき開発されたとのこと。
      
中央アジアとヨーロッパにまたがり、ロシア、中国、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンと国境を接し、カスピ海、アラル海に面していて、面積は世界第9位とのこと。1991年ソビエト連邦から独立。国名はカザフ人の自称民族名の「カザク」とペルシャ語の「~の国」「~の多い所」を意味する「スタン」の合成語とのこと。

     

2月24日~3月3日までの4ケ国の訪問で、訪問した大使館累計は21ヶ国と1代表処となりました。残念ながら8ケ国は予約が取れず、事情で参加を取り消したレバノンを含め9ケ国が訪問出来ませんでした。
      
今回の訪問で気が付いたことは、時間を持て余している中高年の男性よりも、若い人から中高年までの幅広い層の女性が多く参加していたのは驚きました。ベビーカーや子どもの手を引いた奥様達にもお会いしました。港区民あげて楽しんでいるようでした。
     
訪問した国の多くは大国ではなく、又、日本のように歴史は一国で完結するのではなく、外部からの侵略・占領・統治、政権争い、宗教上の争い等の波乱の歴史を経て、現在に至っているのが、よくわかりました。また、未だに内戦や宗教上等の武力争いが続き、犠牲者が出ている国のニュースを聞き、武力争いのない平和の実現を強く望む寅次郎でした。

[こぼれ話-1]港区ワールドカーニバル

平成28年(2016年)3月4日~5日には港区ワールドフェスティバルの締めくくりの「港区ワールドカーニバル」が芝 増上寺境内で行われました。スタンプラリー参加の大使館のテントもありました。




会場ではルーマニア大使館の美女やモロッコ大使館のミントティーおじさんと再会しました。ナミビア共和国のキリンは剥製です。
抽選会もあり、スタンプラリーのスタンプ5個以上で1回、10個以上で2回、15個以上で3回の抽選が出来ました。寅次郎、3回抽選が出来ましたが、ボールペン3本でした。

 
[こぼれ話-2]駐日大使館数

駐日大使館は東京都にあり(総領事館・領事館は東京都以外にもあり)、港区には80の駐日大使館があると聞き、都内の分布状況に興味を持ち、調べました。出典はフリー百科事典「ウィキペディア」2016年2月10日現在 駐日大使館一覧から数を数えました。
東京都内には153の大使館がありました。港区の( )の数字は2015年・2016年の港区大使館めぐりで寅次郎が訪問した内数です。まだ港区の33.3%、全体の17.6%です。 
         

アジア

大平洲

北米

中南米

欧州

中東

アフリカ

港区

9(3)

4(1)

2(1)

17(5)

27(7)

9(4)

13(6)

81(27)

渋谷区

22

目黒区

14

千代田区

1

13

品川区

11

新宿区

世田谷区

中央区

台東区

20

22

47

15

38

153



次回は花の祭-9です。


平野 寅次郎 拝