藤沢宿の史跡探訪
いつも足早に通り過ぎている、かっての藤沢宿の街角を、一度ゆっくり歩いてみませんか。藤沢宿は東海道6番目の宿場町でしたが、旧状を留めるものは殆どありません。その藤沢宿、当方の出入口・江戸方見附跡から西方の出入口・上方方見附跡まで約1.4キロの間にある旧蹟・20数ポイントを探訪します。藤沢宿跡は観光施設として整備されていません。民家の隣にも足を踏み入れますので、注意して歩きましょう。
1. 藤稲荷
2. 船玉神社
3. 感応院
4. 山王神社
5. 一里塚跡
6. 江戸方見附跡
7. 遊行寺
8. 藤沢広小路跡
9. 大鋸橋(だいぎり)
10. 高札場跡
11. 桔梗屋の店蔵
12. 藤沢御殿跡
13. 陣屋小路の庚申塔群
14. 御殿辺(ごてんべ)公園
15. 白旗神社
16. 伝義経首洗い井戸と首塚
17. 妙善寺
18. 蒔田(まいた)本陣跡
19. 小川泰堂の墓所
20. 坂戸町問屋場跡
21. 常光寺
22. 斉美館
23. 弁慶塚
24. 永勝寺
25. 荘厳寺
26. 真源寺
27. 上方見附跡
池 内 淑 皓
9月15日230人程が、ヒンヤリと秋風が頬をよぎる藤沢宿の歴史探訪を楽しんだ。
江戸方見付から上方見付に至る宿内の名所、旧跡、社寺仏閣をくまなく案内してくれると言う企画で、歴史好きな面々には垂涎の企画であった。
藤沢宿は、江戸から12里で、1日で歩くには少し距離が長い。江戸を七つ(午前4時)に出発すると、高輪(品川)で夜明けとなる。高輪の大木戸は開け六つ(午前6時)に開くから西に道を取る。
川崎で昼を食べると、日が西に傾く頃権太坂を登る。日が落ちてやっと戸塚宿に着く。丁度10里である。ここから小田原まで10里であるから区切りの良い宿場であった。
老人と女性と子供は程ヶ谷泊まり。目的を持った元気な若者は藤沢宿に急いだ。
この宿は江ノ島詣の道と、田村通り大山道が通じていたため、宿はたいそう賑わった。当然過剰な飯盛女がいたのである。
江戸庶民は行きに矢倉沢往還大山道(青山通り大山道)や柏尾通り大山道(戸塚)で大山石尊権現に納めの木太刀を奉納して、帰路に田村通り大山道で藤沢に至り、精進落しをする。
さらに、江ノ島道を通って江ノ島弁天にもお参りして、金沢の六浦湊から船で江戸に帰った。ちなみに石尊権現は男の神様で江ノ島弁財天は女の神様である。
今、私たちは永勝寺で、かつての旅籠「小松屋」で他界した飯盛女の墓石をただながめて残念がるだけである。(写真:永勝寺の飯盛女の墓)
江戸古川柳に “藤沢で抜き身の者は右に折れ” 分かるかな。 完