寄り道・道草 13 旧小池邸と藤棚
アイランドコースをお歩きのみなさん! 新林公園の藤が今見ごろです。
ついでに、古民家の旧小池邸に立ち寄られてみてははいかがでしょうか。(月曜・祝日の翌日休み、見学時間9時〜16時半、入場無料)

門前の案内板などによると、「旧小池邸は江戸時代、天保12年(1814)に棟上された建物で、藤沢市の文化遺産として、昭和58年に新林公園内に移築されたものです。小池家の先祖は足利尊氏に仕え、江戸時代になって柄沢に移ったと伝えられ、江戸時代から代々、柄沢村の名主でした。建築面積は171.4u(約52坪)で寄棟造の茅葺屋根、土壁、石基礎で土台には栗が使われています」

家の右手、二間半の幅広い出入口(式台)から中に入れますが、上には上がれませんので土間からの見学となります。生きがい事業団のボランテアの方が、手が空いていれば、説明してくれるでしょう。

大黒柱は樫、上を見上げると梁には松が使われ黒光りして年代を感じさせます。間取りはいたってシンプルで、家族が起居する床部分と、作業・収納・炊事を兼ねた土間の部分から成り立っています。床上部の間取りは四つ間型と呼ばれる四間取り、大黒柱を中心に床の部分と土間の部分とが、それぞれの用途に応じて田の字型に配されています。

上手はとりはずしができる襖や障子で仕切られた座敷、寝間、客間があります。二階(正確には中二階)は女中部屋となっていて、女中だけにはプライバシーがあったようです。

そして小池家には、男女別々のトイレもあるというのは、お偉いさんが客人として来たからではないかという。下手に囲炉裏のある板の間(デイ)、囲炉裏に懸かった鯉の自在鈎は囲炉裏の大きさにくらべ大きく不釣合いなのは、この家のものではないという。土間の奥には毎日煮炊きに使ったかまどがあり、この煙が藁葺きに虫が発生するのを防ぎ、またコーティングの役割をし雨露から家を守っているという。

藁葺き屋根の保全のためには、現在でも毎日、かまどを使った方がよいのだが、予算の関係でそうもいかぬという。また、昭和58年に移築した際、藁葺き屋根の材料となる茅は、藤沢近辺にはなく、わざわざ栃木県でこの移築のために栽培したものであるという。

加えて、当時はまだ藁葺き屋根を敷くことができる職人や農家の人がまだ居たが、現在ではもう難しいという。 
(4月21日記 八柳 修之)