江尻さんのウオーキング ワンポイント アドバイス  No.1


 開講の弁  とにかく楽しいウォーキングを!!


 会報編集者から、「ウォーキングのワンポイント・アドバイスを書いていただけませんか」とのおだてに乗って安請け合いしたものの、何を書けばよいのか「ようわからん」状態でスタートすることになりました。「アドバイス」でなく「爺放談」になってしまうのではと思いながらのスタートです。
 長年の競技生活での身体を酷使した土産とその後のリハビリの悪さが災いして、現在も後遺症や障害の古傷が時々痛み、常に頭に置きながら続けているウォーキングの体験と日頃、感じ、心掛けていることを披露することにします。それが皆さんのウォーキング仲間との話題や問題提起となって関心が深まり、健康のためのウォーキングを考えるきっかけとなればと考えています。
 ウォーキングを始めた動機を尋ねると「健康のため」「ダイエットのため」「お医者さんの指導で」などと答える人が多いと感じますが「ウォーキングを楽しみたいから」と答えを聞くことは非常に少なく何故だろうと考えさせられます。
 言い換えれば「ウォーキングは面白くない」と思っている人や先入観の強い人が多いのか、それとも「本当に面白くなく、楽しめない」と思われているのか考えさせられます。 ウォーキングに対する思いや期待・成果は個人によって異なり、評価が「良かった、良かった」にはなかなか結びつかないように感じています。
 誰もが楽しく面白いと感じて日常生活に取り込めるように「もっと遊び心が活かせる」ウォーキングを考えることが必要と思っています。 また、経験の浅い人達は、周囲の人達の話や意見に左右され、自分の考えや体調を反映される機会が少ないようです。自分に合わない無理なウォーキングを続けたために腰・膝などを痛め体調を崩し精神的な負荷が加わって、継続することが出来なくなった人の話を耳にするのは痛ましく残念な事と思っています。 自分が主役で自分自身のためのウォーキングを考え実践し楽しむ事を皆さんと一緒に考えたいと思います。
次号からは具体的な体験と考えを披露しながら話を進めたいと思います。

江尻忠正(えじり・ただまさ)氏 プロフィル
1934年(昭9)、富山県生まれ。中長距離、駅伝選手としてスタート、長距離・競歩の選手生活、のち専門種目を競歩に絞り、国内外競技会に参加するなど現役選手生活を約20年間続けた。
この間、1964年、東京オリンピックに日本代表選手として50キロ競歩に参加し、日本人最高の22位に入った。日本陸上競技選手権において20キロ・50キロ競歩の選手権を獲得、全国勤労者陸上20キロ競歩で優勝3回、国体に4回出場したほか、日本代表選手として海外遠征、国際競技会に参加、全競技会で入賞するなど活躍した。
現役選手引退後は、陸連第1種公認審判員として各種陸上競技会の審判員を務めるほか、高校生、市民ランナーの中長距離走および競歩の指導に当たる。
95年、藤沢市歩け歩け協会(現湘南ふじさわウォーキング協会の前身)にウォーク活動スタッフとして参加、99年から2004年5月まで湘南ふじさわウォーキング協会会長を務めた後、同年5月から神奈川県ウォーキング協会会長、日本ウォーキング協会専門講師を務めている。