寄り道・道草 32
本 蓮 寺
 江ノ島道を江ノ島方面へ、密蔵寺を過ぎ二番目の曲り角を左、100メートルほどの参道の先、突き当たりに日蓮宗本蓮寺がある。
 このお寺、お隣の同じ日蓮宗の常立寺とはちょっと勝手が違って入りずらい。
山門に転法輪とある額。山門はとうせんぼしてあり、脇から入ることとなる。

 境内はよく掃き清められ足跡を残せないほどである。境内右手に樹齢数百年以上にも達するかと思われる大イチョウがあるが残念ながら、台風の被害によるものであろうか、途中から折れてしまっている。山門の左手にある鐘楼は立派である。
調べてみると、この本蓮寺は、推古3年(595)に聖徳太子の師によって開かれたと伝えられ、もとは密教寺院であったが、源頼朝によって再建され、14世紀初め日秀によって日蓮宗に改宗されたという。
聖徳太子が摂政となったのは593年、1,400年以上もの昔からの由緒のあるお寺である。
そして、慶安2年(1649)に江戸幕府(徳川家綱)から朱印地七石を与えられた「御朱印寺」となっている。将軍の朱印状によって、年貢や課役を免除された寺社領地である。
そういう歴史もあるお寺なので、ほかの日蓮宗のお寺とは様相が違っているのかもしれない。
           (参考文献:藤沢史跡めぐり 藤沢文庫)     (2・7 八柳)