寄り道・道草 34

江の島郵便局

 江ノ島の入口に建つ青銅の鳥居は、文政4年(1821)に再建されたものであるという。懸額には江ノ島大明神とある。右の柱には、新吉原、願主、扇屋宇右衛門、大黒屋勘四郎、松葉屋半蔵、左の柱には、願主、江之嶋屋利助、同佐兵衛、伊勢屋庄五郎の銘が読み取れる。江戸時代の浮世絵をみると役者や花魁などが描かれているものが多く、遊興の地として賑わったことが分かる。 浅草の松葉屋の花魁ショーは、はとバスが入っているほど人気があったが、時代の流れか、平成10年、コースから外れた。

 さて、その昔から変わらない幅一間半余の参道を進むと、中ほど左側に江ノ島郵便局がある。黒い郵便ポストがあるから、すぐ分かる。
「明治時代の郵便差出箱、明治4年3月に郵便事業が創業し、明治5年、東京府下に郵便取扱所を開設するにあたり、書状箱を設置したのが始りです。この差出箱は、明治
20年頃に使用したものを復元したものです」と案内板があった。
 ところで、この郵便局は郵趣マニアの間では、よく知られた郵便局、是非一度は訪れたい郵便局のひとつなそうです。ウォーカーの中にも、郵便局を見つけると、記念に預金し通帳にスタンプを押してもらう人や、記念スタンプを押してもらう人がいるという。

 私も葉書を一枚購入しスタンプを押してもらいました。江ノ島と藤をあしらった50円の記念切手と近代郵便制度の創設者前島 密の1円切手は使用済みのものを後から貼ったものです。

 ところで、何故、郵便ポストが黒から、赤に替わったのはお分かりですか。調べてみると、黒いポストは夕方になると見にくくなるので、明治21年に赤いポストに替えたそうです。

「寄り道・道草2」でご紹介した「局便郵瀬片」もユニークな郵便局で、記念スタンプを押印してくれます。郵政民営化、特定郵便局は今知恵が求められます。                          (八柳)