寄り道・道草 50
日大の博物館

 寄り道・道草シリーズも数えて50回となった。今回は是非一度は訪ねて見たいお勧めの場所を紹介したい。リバーサイドコース上にある日本大学生産資源科学部の付属博物館である。
 この博物館の存在はあまり一般には知られていなかったが、江ノ島水族館の人気者で、昨年10月に急死したミナミゾウアザラシの「みなぞう」が、骨格標本となってこの博物館に戻って来たという報道がなされてから一躍注目されるようになった。

 大学正門の守衛室に一言お断りして、構内に入るや左側の建物が博物館である。身障者も入れるようにスロープがついている。なによりも嬉しいのは入館料無料、立派なパンフレットも置いてあり、お願いすれば綺麗なお姉さんの学芸員が説明もしてくれる。

 現在は生産資源科学部というナウイ名称であるが、かつては農獣医学部であったことから、農学や農獣医学関連の標本を中心に多数所蔵されている。一階が骨格や剥製、三階には主として蝶類の標本が展示されている。

 パンフレットの案内に沿って目玉の標本を紹介したい。 骨格の展示ではニホンザル、オランウータン、ゴリラの霊長類、人の骨格模型(これだけは本物はあり得ない)がありその違いが分かる。階段を上がり上から見下ろす巨大なクロミンククジラ。ライオン、ヒグマ、サイ、カバ、バイソン、首の部分が不安定なキリン。コブが脂肪であることが分かるヒトコブラクダ、インドゾウとアフリカゾウの骨格の違い、鼻の部分には軟骨もないことが分かる。
剥製はあまり多くないが、特別天然記念物のニホンカモシカ。オランウータン、ゴリラ、マントヒヒなどの霊長類、特別天然記念物のトキなど鳥類の剥製が見られる。

 三階は主として蝶類の標本、藤沢で見られる蝶類をはじめ世界中の珍しい蝶類のコレクションは、蝶のコレクターには堪えられないであろう。
蝶と蛾の違いを聞いたら、フクロウとミミズクのごとく分類上は同一であるという。このほか昭和30年代頃まで農家で使っていた農機具も展示されていて懐かしさを感ずる。

 ところで骨格標本の作り方を質問しかねてしまった。帰宅してからグーグルで調べてみると、最も単純な方法は皮を剥いで内臓、筋肉をできるだけ取り、砂の中に年埋めておくことだが、時間がかかるので、専門的には蛋白質分解酸素を筋肉に注入する方法によるそうだ。
昨年10月、体長4メートルを超える「みなぞう」、死して8か月、骨格標本となって帰って来たのもこうした技術によるものである。

(参考)

開館日時:月〜金曜日 1016時、土曜日は12
       8月中旬、12月下旬〜1月初旬は大学の休暇で休館となる。
交  通:小田急江ノ島線六会日大前下車3分  問い合わせ:0466-84-3800(代)                                                

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