今回は寄り道・道草といっても、一年に一回だけの道草である。7月22日、遊行寺境内で第1回の「遊行の盆」が開催された。 「踊り念仏」は、集団でとんだり跳ねたりするという特徴があり、参加者に恍惚感と自己開放をもたらす。このような「踊り」と「念仏」を合一化し、心身の飛躍を通じて法悦を得るというのが、一遍の踊り念仏の考え方であるという。(パンフレット4頁) 聖絵には、その後ぱったりと踊り念仏が描かれていない。再び登場するのは3年後、片瀬の地蔵堂である。ここでの念仏踊りは以前とは全く様子が違っていた。高床に屋根付きの舞台が組まれ、踊っているのは僧尼たちだけで、民衆は見ているだけである。(このことについては、寄り道・道草19 一遍上人地蔵堂跡に書いたので省略) ところで、ルーツの遊行寺の念仏踊りは関東大震災まで続けられたが、その後、途絶えてしまった。昭和50年、信州跡部(あとべ)に伝えられる念仏踊りが、遊行寺の念仏踊りと同じものであったことが確認され、遊行寺念仏踊り保存会の人たちによって継承されている。写真はその遊行寺の念仏踊りである。 今後、この念仏踊りをベースとした新しい藤沢の盆踊りが全国的に有名な踊りとして発展していくか感心のあるところである。 (7・23 八柳) |