リバーサイドコース、藤沢駅から遊行寺通りを遊行寺の方へ向かって歩くと、やがて467号線と交差する。交差点ロータリーには市指定の文化財、杉山検校が建てた「江ノ島弁財天道標」がある。467号線には出ず、左側の朝日新聞販売店前の道を進む。この道はかつて旧道街道、遊行寺から江ノ島神社に通じる江ノ島道であった。150mほど先、左手に土蔵のある木造家屋だけが、わずかに往時を偲ばせている。以前は米穀店であった榎本家と土蔵である。 江戸時代、境川を使って江戸への年貢米、麦、木材が五百石船で運搬されたというから、往時はさぞ賑わったことであろう。中村外科の南側にある蔵前稲荷社が、この地がかつて蔵前という名であったことをわずかに留めている。
さて、前に戻って榎本家の家屋であるが、いつの頃からか分からぬが、お店は閉じられたままで中をうかがい知ることはできなかった。 木造の建物は1929年(昭和4年)の総二階建ての建築、築77年、人間で言えば喜寿であるが、良質な木材が使われていることは、素人目にもよく分かる。 絵に興味はなくとも、古い木造建築物として、一度立ち寄って覗いて見る価値はあろう。
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