寄り道・道草62 | |
「寄り道・道草」もネタ切れとなって来ました。これからは、わざわざ寄る所でない所もありますのでご容赦ください。これもその一つ、「おしゃれ地蔵」である。 YR大庭城址コース、引地橋から旧東海道を京方へ、左側、メルシャンワインのほぼ向い側にあります。藤沢七福神めぐり養命寺のすぐ近くにありますので、ご覧になられた方は多数おられるでしょう。「わがまちふじさわの景観」明治地区の景観10選にも「養命寺とおしゃれ地蔵」として選定されてもいます。 藤沢市教育委員会が平成七年十二月に建てた案内板には次のように書かれています。 『女性の願い事なら、何でもかなえて下さり、満願のあかつきには、白粉を塗ってお礼する」と伝えられており、今でもお顔から白粉が絶えることがないという。そのような所から、誰からともなく「おしゃれ地蔵」と名付けられたとされる。形態的には「地蔵」ではなく、道祖神(双体道祖神)の表現が妥当であると考えられるが、土地の言い伝えを大切にしていきたい』とある。 案内板のとおり、お顔は白く口紅も赤くひかれお花が手向けられていました。 このお地蔵さんは巣鴨のどげぬき地蔵に行かなくとも、すべての願を叶えてくれる身近な地蔵ではなのでしょう。 以下は、私の勝手な想像の世界です。 「女性の願い事」とはどんな願いだったのでしょうか。当然、江戸時代と今日では世相を反映し願いも変わっていたでしょう。また世代によっても願いは違うでしょう。 私にはよくわかりませんが、当時の女の身から考えると、一般的な願いは良縁、安産、病気からの健康、家内安全・・でしょうか。 しかし、このお地蔵さんは天明八年(1788)造立の銘があるというから、江戸時代中期、天明の飢餓の頃に立てられたものです。とすれば、農民の生活は困窮していた筈、女の願は逼迫したものであったろう。白粉を買う余裕なんてなかったと考えてしまう。街道筋なので白粉を持っていた女、飯盛女か夜鷹なんて想像してしまう。 お地蔵さんいろいろです。願い事によって、次のように分類されます。昔の人の願いも今の人も願いもあまり違いがないように思いますが・・・ 1.病苦の身代わり・・・化粧地蔵、おしろい地蔵、ぽっくり地蔵、洗い地蔵、塩地蔵、 あんこ地蔵、赤地蔵、味噌なめ地蔵、首なし地蔵、足切り地蔵、咳きどめ地蔵、 2.子宝・子育て・・・子安地蔵、子宝地蔵、腹帯地蔵、三体地蔵など 3.厄除け・・・とげぬき地蔵、水子地蔵、六地蔵、針抜き地蔵、引導地蔵など 4.災難予知・危機防止・・・汗かき地蔵、しばられ地蔵、火焼け地蔵、芋地蔵など 5.延命・開運・勝利・・・延命地蔵、首つぎ地蔵、日限地蔵、開運地蔵、無尽地蔵 参考資料:お地蔵さんの分類は、Wikipediaによりました。 八柳 |