連載
(15)、(16)
―  犬も歩けば・・・ ―(15)
黒江 輝雄
 皆さんよくご存知の、いろはカルタの“い”の一番は〜 犬も歩けば棒にあたる 〜となっています。
解説書によると「@何かをしようとすれば、それだけに災難に合うことも多いものだ。A何かやっているうちには、思いもよらぬ幸運に会うこともある」とありました。
いろはカルタは、人生訓をわかりやすく説明したものですから、動物を引き合いに出してはいますが、すべて人間のことを教え諭す内容となっています。
 猿も木から落ちる、 河童の川流れ、 蛙のつらに水、 馬の耳に風(念仏)、などなどです。

 ところで“犬棒”は、歩き方をやっていると思いもよらぬ出会いがあるかも知れない、という寓意を含んでいます。
犬は特異な臭覚であたりを嗅ぎまわり、餌にありついたりします。

 歩き方も、目と耳と口だけではなく、五感全部を働かして周囲を見回しながら参加すれば、今までは感じ取ることができなかった新しい発見があることでしょう。      
 〜論より証拠〜です。
 まず、実践してみては如何でしょうか。おすすめします。
                          
―  往き道坂道帰り道 (16)
 私が例会に参加して、まずやることは毎回渡されるコースマップに今日歩く道はどんな所かを想像しながら、コースをカラーペンでなぞる
ことから始めます。

 歩き方のコースはいろいろと工夫されていますが、出発地点からぐるっと回ってもとのスタートの場所にもどって来る@循環型か、出発地点とゴールが別であるA直進型かのどちらかです。@ 循環型でも前半を折り返して同じ道を引き返す往復型と、同じ道は通らない準直進型があります。

 例会の集合・スタート地点は、普通駅前広場とか公園などが多く大体が平らな所です。集合場所が山の上、などというのはまずありません。
ゴール地点も同じように平地が選ばれています。

集合時間の頃は、皆さん誰もが、「さあこれから歩くのだ」と気合が入っていますから、スタートして間もなくの上り坂は、あまり苦になりませんが、お昼の休憩時間が終わってスタート直後の上り坂は、正直いって身体にこたえます。
お腹が一杯でまだ十分消化しきれていない時だからです。
もし適当な場所があれば、たとえ時間が多少ずれたとしても、坂道を登りきったところで、お昼の休憩時間にしてほしいと思います。

 坂道にはかならず上り坂と下り坂があります。
急な坂道を登って行く時には、ふくらはぎがこったようになり、足がなかなか上がらず、前かがみになり、汗をふきながら、あえぎあえぎ人の後についていきます。そんな時は、「このあとは楽な下り道があるから頑張ろう」と自分に言い聞かせています。
ところが登り終えて、逆に急な下り勾配の道になると、今度は自分の歩速以上にスピードが出て、なかなか自分で自分を制御するのがむずかしくなり、思わず上体は反り返り気味で、足は突っ張った状態です。

 おまけにトントントンと爪先とくるぶしあたりに体重がかかってくるような感じで冷や汗をかく思いです。

 普通の例会では、昼食時間は全行程の大体50〜60%を過ぎた頃に設けているようです。
気分的には昼食時までが往き道、昼食後が帰り道といったところでしょうか。
例会当日の目玉となる訪問先は大体、往き道に集中しているようです。
帰り道は、皆さん背中に背負ったリュックサックの荷が軽くなったせいでしょうか、それとも家路を急ぐサラリーマンのように、なんとなく急ぎ足になるように思います。

家に帰ってからは、コースマップと地図帳を見比べながら、今日はどの辺を
歩いたのかを確かめることがもう一つの楽しみとなりました。

                          以 上