連載

― 歩き方のバランスシート―
黒江 輝雄
 歩き方の2大経常支出項目は、お昼の弁当代(食費)と足代(交通費)です。
それに例会参加費があります。
食費と参加費はいわば“固定費”といっていいでしょう。
問題は交通費です。集合場所によって交通費は大きく変わる“変動費”です。
北海道や九州など、遠地での大会は行きたくても行けない私です。
まして海外のイベントに参加するには、巨額な“投下資本”が必要ですから微禄で、資力・体力・気力ともに及びもつかない私にとっては、“想定外”です。
 
 私が住んでいる所の最寄り駅はJRの辻堂です。
お勤めに励んでいた頃は、お江戸まで東海道線一本槍でしたから、同じJRでも相模線や横浜線などには、めったに乗る機会はありませんでした。
小田急とか相鉄などの私鉄もほとんど利用しませんでした。
どこへ出かけるにしても、まずJR東海道線ということを基準にして考えていました。
 最近は歩き方のお陰で、発想が幅広くなりました。
辻堂だけではなくて、住まいからは少々離れてはいますが、私鉄の湘南台なども選択肢に入るようになりました。
たまに用事があって新宿や渋谷に出掛ける時も、今まではJR山手線経由でしたが、小田急の湘南台を利用した方が運賃は約半額ですむことを、最近やっと知りました。総じて、同じ目的地に行く場合、JRよりも私鉄を使った方が経済的のようです。
 
 ところが、その例外もあります。・・・・
先日の歩き方で、小田急線開成駅に集合する例会がありました。
私はてっきり小田急線一本で乗り継いで行くのが良いかなと思って、湘南台駅から乗るルートを考えていました。
早速パソコンで料金と所要時間をインプットして打ち出して見たら、なんと辻堂からJR小田原駅まで直進して、そこから小田急線に乗り換えて行く方がはるかに経済的だということが判りました。
この場合はJR利用が私鉄よりも“経済効果”が高かったのです。

 私自身の限られた毎月の小遣いをいかに効率よく有効活用していくべきか、歩き方のバランスシートを改善するために日頃腐心しています。
 もっとも、このバランスシートは“支出の部”のみで“収入の部”はありません。しかし、“収入の部”には金銭ではかえられない「健康保持」という
優良な簿外の“無形資産”を毎回の例会で取得していると思っています。
                        
                             以 上