連載


― 散歩とウオーキング ― 
黒江 輝雄
 時々、「散歩」と「ウオーキング」はどう違うのだろうかと、ふと考えさせられることがあります。
テレビでも「散歩」をテーマにした民放の番組があります。
― 散歩は大人の休憩時間 ―などといって、出演者が東京の山の手や下町の商店街などを歩きながら、目についた老舗のお菓子屋さんに飛び込んでみたり、近所で評判になっているすし屋さんを紹介するなど、結構面白い番組となっています。
 ズバリ「ウオーキング」を話題にしたNHKの番組もありました。
もとJリーガーの主人公が約2か月半かけて歩き通す番組でした。東京・日本橋からスタートして京都・三条大橋までの東海道五十三次の宿場町から毎朝生中継していました。藤沢宿も通過しました。
私も朝早く遊行寺に出かけました。
 言葉の感じからいうと「散歩」にはなんとなくリラックスしたイメージがあります。散歩の途中で目についたお店にぶらりと立ち寄ってお茶を飲んだり、気に入った蕎麦屋でざるそばを食べてから、又散歩を続けるなんていうこともあります。「散歩」とはもともと“気ままな歩き”といっていいでしょう。

 その点「ウオーキング」といえば、なんとなく力が入り込んだような語感がします。「散歩」のような“途中下車”は許されません。あるのは、トイレ休憩と昼食休憩だけです。
「ウオーキング」は技を競う競技ではなく、駅伝やマラソンなどのような激しい運動ではありませんが、スポーツの一種だと思います。
スポーツである以上、守るべきルールがあります。それがいつも目にする「ウオーキングマナー守りましょう!五カ条」でしょう。あらためて書き出してみます。

1. やあ!お早う、明るい挨拶 さわやかに
2. 信号で、あわてずあせらず 待つ余裕
3. ひろがるな、参加者だけの道じゃない
4. 自分のゴミ、自分の責任もち帰り
5. 歩かせて、いただく土地に感謝して