連載


 ― 音楽とウオーキング ―
黒江 輝雄
  音楽についての知識が特別あるわけでもなく、どちらかというとカラオケが苦手な私ですが、音楽とウオーキングには何か見えない(あるいは聞えない)相関関係があるように思えます。

 音楽には陽気で明るく、弾むようにリズミカルなものもあれば、反対に暗いイメージで打ちひしがれたような心の嘆き悲しむ様を表現した曲もあります。
ウオーキングと音楽との相性を考えてみると、ウオーキングは陽気で明るい感じの音楽の方が性に合うようです。明るい感じの音楽はテンポの速い曲が多くあります。あまり早すぎるリズムだとウオーキングはついていけませんし、また立ち止まって、思いっきり腹の中から声をふりしぼって歌う感じの曲もウオーキング向きではないでしょう。
演歌調の歌もウオーキングとは相性が悪いようです。この種の歌曲にはどちらかというと後ろ向きか下向きの姿を連想してしまいます。

 ウオーキングには、やはりその名のとおり隊列を組んでどんどんと前へ進む様子を表現した行進曲(マーチ)が一番でしょう。
懐古趣味だと笑われるかもしれませんが、私にとっては勇壮な「軍艦マーチ」が大好きです。白波をけたてて勇猛果敢にまっしぐらにどんどんと進んでいく艦船の様子が伝わってくるような感じです。ウオーキングもこの曲にうながされてどんどんと足が前へ進んで行きます。

 同じ「軍艦マーチ」でも、2,30年前ごろまで、駅前や繁華街にあるパチンコ店から大きな音声で聞こえてきたこの曲は、通りすがりの客にどんどんと店に入ってもらうための宣伝効果があったでしょうし、また店内の常連客が財布のひもをゆるめてどんどんと玉を買ってもらうためにはとてもいい音楽だったと思います。
 ・・・パチンコとウオーキングとの間に、「軍艦マーチ」を介して何か特別な相関関係があるかどうかについては、まだ考えたことはありません。・・・