連載


 ―  アンパンはいけません  ―
黒江 輝雄
  あんパンは明治5年(1872年)東京銀座にあった木村屋で初めて販売されたそうです。それから1世紀以上たった今でも人気が衰えないヒット商品のひとつです。人気の秘密はいろいろあるでしょうが、なんといっても和菓子の代表であるお饅頭と洋風食品の筆頭であるパンをミックスした、日本人独特の発想による創作物だからでしょう。私はいまでもたまに買う事があります。

 ところで、アンパンとは私が学生時代にはやったはやりことばです。もともとは英語のunpunctual(時間を守らない、遅刻する)といった単語の和製用語です。
「○○の集会は10時から始まるから、アンパンするなよ。」などといわれたものです。
アンパンはどんな集まりや会合でもルール違反です。遅刻の常習犯だった会社員が就業規則違反で解雇されたという話をかつて耳にしたことがあります。同じように退学処分を受けた学生もいるはずです。

 人と約束した時間に遅れることは間々あることです。特に予測できない交通機関の遅れや交通渋滞に巻き込まれてしまった、などなどさまざまです。
このような事態をあらかじめ想定して、私の場合は大体決められた時間の30分前には到着できるようにしています。
例会のウオーキング役員よりも先に到着したこともあります。
幸いなことに、今までにアンパンの気恥ずかしい思いを味わったことは一度もありません。