連載


 ―  ア ン カ ー  ―
黒江 輝雄
 私は毎回例会に参加して、漫然と隊列の中に入って歩いていましたが、たまたま最後のアンカーがどうなっているのだろうかという好奇心にかられて2回ほどアンカーをつとめている役員の前を初めから終わりまで歩いてみました。その時の感想記です・・・・

 アンカーとは、「400メートルリレー競技でアンカーが大健闘したお陰で優勝できた。」などというように「最後に行動する人、殿(シンガリ)」を意味します。ご存知のとおり船にとっては無くてはならないものである錨(イカリ)も同じ言葉です。また「支え、頼みになるもの」という意味もあります。アンカー・ボルトなどと使われています。
だから、例会のアンカーとはさしずめ「ウオーキング例会のシンガリをつとめ頼りになる人」といっていいでしょう。

 私達一般のウオーカーは、例えはあまり適切ではないかも知れませんが、小旗を持って先導してくれる船頭役の方と、後尾でやや大きめの旗を持ち、たすきがけで艪を漕ぐアンカーとが案内してくれる1隻の船に乗り合わせた歩きの集団のようなものでしょう。行き先は船頭(先導?)任せです。
漕ぎ手であるアンカーの後ろは船外です。だからアンカーは見張り役でもあります。道々事故のないように気配りするのもアンカーの大事な仕事なのだなあと感じた次第です。
                                              以 上
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「あとがき」
 この原稿を関係先にメールで送ったところ、当協会(FWA)の平野会長から次のようなコメントをいただきました。参考になるのでそのまま記します。

「アンカーの前(一緒の場合もあります)にはスイパーがいます。Sweeperですから掃除人です。ウオーキングがヨーロッパからもたらされたことがわかります。遅れている人をゴール時間に間に合うかどうかを判断して交通機関に乗せる対応とか矢印の撤去が仕事です。
FWAでは地面に書いた白墨の矢印を水で消したり、借りたトイレの掃除も仕事になっています。
ウオーカーだけではなく歩いた道を元に戻すのです。
自由歩行の時には掃除役は重要な役割です。 (平野)