犬も歩けば(1)
がんばる屋号 

l
八柳修之
犬の目線はどこにあるのか。お腹を空かせた野良犬ならば下向きであろうか。
ウォーカーを注意して見るとうつむき加減で歩いている人、生き方もそうなんでしょうか前向きの人、九ちゃんのように上を向いて歩く人、エトセトラである。
散歩圏内の遊行寺通り上を向いて歩いていると、「アルク」という会社の看板を見つけた。カタカナで表記されていなければ、いよいよ「歩く」を生業とする会社、しかも藤沢支社が出来たのかと思うほどであった。もっとも退職後ウォーキングカンパニーに就職し毎日出社しているという人もいるという。

今日は「歩く」「歩き」に関する言葉を辞書で調べてみる事にした。
茂木健一郎先生は調べてみることは脳によいという。
【歩き方と歩きの生態】
そぞろ:散歩、散策、漫ろ歩き、遊歩、拾い歩き、拾い足、間歩、閑歩、逍遥
ゆっくり:鈍足(のろあし)、牛歩、徐行、徐歩、緩歩、寛歩
普通の足並み:並み足 急ぎの足どり:急ぎ足、早足、速足、足早、急行、疾歩、疾歩、捷歩(しょうほ)、急歩、速歩、疾足、逸足 そのほか:闊歩、刻み足、練り歩く、行進、千鳥足、酔歩、ほっつき歩く、夜歩き、蓮歩(れんぽ、美人のしなやかな歩み、辞書ではじめて知りました)

【目的のある歩き・歩き方】郊行(郊外を散歩)、踏青(とうせい、春、若草を踏んで野山を散歩)、山行、遠足、遠出、旅歩、漫遊、行脚、巡行、巡遊、遊行、行楽、物見遊山、遊覧、観光、野遊び、野駆け、観光、探勝、済勝(さいしょう)、低回、潜行、遊説、踏破、巡検、巡視、
【目的・指向のない歩き】足任せ、漫歩、徘徊、流浪、彷徨う、浮浪、浪々、漂白、旅烏、放浪、流離、横行、

まだまだあると思います。こうやってみると日本語の語彙は多く細やかですね。
ちなみに英和辞典を引くと、一般的なwalkのほか、ramble(一定のコース・目的を定めずに歩く)、wander(あてもなく歩き廻る、さまよう)roam(自由気ままに、広い地域を歩き廻る)くらいでしょうか。歩きはその国の文化と係わり合いがあるかもしれない。