紀行文

11回IVV オリンピアード2009に参加して

 深川 和子 

第11回 IVVオリンピアードが富士五湖畔で開かれた。“IVV オリンピアード”は世界各国の参加者が、ウォーキング、サイクリング、スイミングを通して友情を分かち合おうと、1989年から2年ごとに、ヨーロッパ各地で10回にわたって開催されてきた。今回は、初めてヨーロッパを離れて日本で開かれたものです。

5月14日〜17日、富士山・富士五湖で行われた“IVV オリンピアード2009”にFWAの有志(24名)と参加してきました。主会場は河口湖総合公園、参加者は延べ8,000名、海外からは26カ国、約700名でした。

5月14日(木)河口湖・野鳥オオルリコース(10km)
 赤松の林を小鳥のさえずりに迎えられ快調なペースで歩く。新緑と土の香りを含んだ風が心地よい。ほどなくゴール。続いてパレードに参加します。FWAのメンバーは一団となり、総合公園まで3km程、旗を掲げて行進しました。
 開会式は関係者の挨拶のあと、スピードスケート日本代表・岡崎朋美さんが聖火ウォーカーとなり点火式が行われ、IVV オリンピアードの幕開けです。
 宿舎はNさん縁りの民宿(富士桜)。夕食は沢山のご馳走が並びビールで乾杯。大いに盛り上がり楽しいひとときでした。メタボ予防の上で「腹八分目」とはいかず、少々反省点もあるようです。
FWAの参加したみなさん

5月15日(金)富士見・河口湖一周コース(20km)
 好天に恵まれ軽快な足取りで畑を行くと富士山の絶景スポットに差しかかる。多くの人が足を止め、写真に収め眺め入る。湖畔に出て湖を右に遊歩道を歩く。「コンチワー」足の長い外国人が次々と追越して行く。スリムな人はあまり見かけない。同行のMさんと会話も弾む。秋田のSさん、山形のYさんと道連れになる。
 河口湖大橋を渡る風は強く、吹き飛ばされないよう足をふんばって歩く。ゴール手前で空を仰ぐと太陽の周りに大きな輪がかかっていた。 

富士山に向かって

5月16日(土)山中湖ぐるりんコース(20km)

 覆う雲は厚く、シャトルバスで山中湖会場へ。スタートと同時に大粒の雨。だらだら坂のアップダウンを繰り返すうち霧雨になる。山野草の小花、まだ残る八重桜、藤の花や緑の濃淡が霧に煙る。行けども行けども目ざすCP(花の都公園)をクリアできず、同行のAさんと機械のように歩き続ける。
 広々としたチューリップ畑は掘起こされ、ヒマワリ畑に変身中。ようやくCPの14km地点に到着。紅茶を頂く。雲間より富士山が姿を現す。対向よりサイクリングの外国人5、6人が「ヤー」と手を上げ通り過ぎる。活気溢れる躍動感を感じる。湖面に白鳥の親子が泳いでおり、遊歩道近く巣ごもりの白鳥の姿も見られ心が安らぐ。肌寒い風が吹くなか、小舟で一人釣りをする人影が寂しい。足取りは重くなり、ペースが目に見えて落ちて来た。なんとかゴール到着。疲労感をひきずり、シャトルバスで主会場に戻り、温かいうどんを啜る。外国人は半袖、短パン、楽しそうにビールを飲んでいる。何とパワフルなこと。
白鳥の親子 忍野八海

5月17日(日)河口湖森林浴コース(10km)
 曇り空、時折り雲が切れ富士山が覗く。赤松、くぬぎの林をぬけてCP健康科学大学へ。爽やかな風を体いっぱい吸い込みながらゴール到着。
 閉会式は大会役員の橋本聖子さんほか関係者の挨拶があり無事に幕を閉じました。次回の開催は2年後トルコの予定です。本大会は世界の人々が宗教や習慣の違いを超えて、健康づくりと友情を分かち合うという大変意義深い場であると思います。雄大な自然のなかで開かれた国際色豊かな日本の祭典は、心が甦るようで貴重な経験でした。折紙のヤッコやツルを配ったり、メタル、ワッペンその他の記念品、小旗などを交換し、お互いに交流することで、ほのぼのと心温まるものがあります。会場はゆったりとした時が流れ、和やかな雰囲気に包まれていました。お別れに外国の人々が手を振りながら、名残を惜しむ姿は印象深く、「皆で慈しみ、皆が幸せになる」というメッセージが、伝わって来るように思いました。 −完−

閉会式