紀行文
厨川 純一 | ||||||||||||||||
5月にフランス・ウォークに参加しました。 Randonnee 4 Jours en Chantonnay 「いつまでもあると思うな!この元気」「あと5年?今の内」をモットーに海外ウォークは初参加。 1人で気ままに参加する国内ウォークとは少々勝手が違う。 「観光旅行のついでに、ウォーキングがあるから一緒に行こう。」とフランス大好きの妻を誘う。 妻は「ウォーキングのお供をし、その前後に観光するのだ。」と言う。 理屈が上手く折り合って、夫婦喧嘩することもなく、仲良く出発できました。 Chantonnay(シャントネ)―どこに在るのかな? 町のホームページによると大西洋岸より約50Km、2つの川に挟まれた標高50m〜100mの丘陵に農地と牧草地・樹林帯を有する水と緑の地方都市との事。 (人口:8000人,面積は藤沢とほぼ同じ) 大会の名前にRandonnee 4 Jours en Chantonnay Vendeeとある。 「ヴァンデー県シャントネーでのハイキング・野山歩きの4日間」という意味だそうだ。
行き先が分かれば後は交通手段、そこで愛用のトーマス・クックのヨーロッパ鉄道時刻表を取り出した。 TGVでパリーから西へ約2時間NANTES(ナント)へ、それから南に約80Km、高速道路で1時間。 時刻表にはChantonnayの記載はない、Nantes(ナント)からレンタカーを借りる事にした。 「つまらなかったらウォークはエスケープ、レンタカーで観光を」と計画。そして参加登録を済ませてホテルの予約。 これは大会Secretaryにメールを入れてホテルを紹介して頂く。 滞在費は安上がり これがなんと一泊朝食付 / 2人で50ユーロ弱(6500円)。参加費には昼食が含んでいるとの事。 話は前後するが、私の参加した20Kmコースには2箇所の休憩所があり、食事用のベンチが置かれ主食にプリオッシュとパンドミ、飲み物は水とジュース類、食後の果物はリンゴ・柑橘類と半ドライのプルーン、それにチョコレート数種にスイート付き、これらが食べ放題。 そしてフィニッシュするとフランスパンに120gは越えると思われる網焼き肉、マスタードをタップリ塗っての昼食、勿論 赤ワイン付。 このワイン、フィニッシュ直後の乾いたのどにブドウジュースと勘違い!一気に飲み込む、その美味さにお代わりをリクエストしたのは、私だけではなかったようだ。 ついでに夕食はと言うと、会場の近くには大形スーパーがあった。 野菜サラダにスモークサーモン・生ハムとチーズを買って、ドレッシングにはバージン・オリーブにゲランの塩。(ゲランはChantonnayから150Km・高速で2時間位の距離) フランスパンにフォアグラを塗り込んでの夕食。 当然のことだがA・O・Cの銘柄ワインをつけて、これが全てフランス値段、農業地帯のど真ん中、日本値段の1/3〜1/5位、「安くて・美味い」。 そして持ち込んだ瞬間湯沸しポット・500リッター用,これがなんとも重宝で大活躍。 インスタント味噌汁を作って、食後にはコーヒー付。 余計なことだが今、奥様方人気の“T-fal”はフランス製、現地調達でOKだった。 宿泊費・食事を含んで2人で1日1万円弱、せっかくの海外旅行だから余り惨めったらしいのはゴメンと思っていたが大満足。 余った予算で1夕は高級レストランでのフルコースと洒落こんだ。 宿と交通手段が決まったのが3月初め、先き割りキップで航空券とTGVをネットで手配。 大会要綱によれば「歩くのは4日間、1日でも連続4日でも貴方のチョイス。毎日違うコースで12,21,42Kmがあり、金曜日にはナイトウォークがあります。」との事。 車で移動+観光を念頭にミッシュランの道路地図を眺めていたらChantonnayに鉄道が有るのを発見、1日3本Nantesから途中乗換えで路線がありました。
いよいよウォーキング 21Kmコースのスタート時間は7:30〜8:30 受付で参加費を払いIDカードを受け取る。 参加費は1日あたり42Kmコース7.5?、21Kmコース6?, 18Kmコース4.5?。 値段の差は何なのか?バスの距離差か、休憩所での食事の回数差なのか? 「ようこそ日本から」と歓迎のアナウンス、「自分はエトランゼ」と実感。 ここから会話の全てが「ボンジュール」。フランス語の分からない自分にとって日本語での「どうも、どうも」の感覚、 何か言われる前にボンジュール・そして笑い顔+身振り手振りでの4日間が始まった。 (一部の役員の方を除いて現地の皆さんとは英語が通じませんでした。 しかし「私はウォーカー」「一緒に歩いて楽しむのだ」の気持ちで充分だった。) 出発式もなければ体操をするでもなく、IDのバーコードチェックを受けてバスに乗る。 集合会場は町の中心地、4日間 東西南北 違う方向へと20Km移動・・。 出発地点まで30分、車窓からの眺めはまさにフランスの田舎風景、バスでの道程も楽しみの一つとなった。 車内では何か説明があった様だが話はチンプン・カンプン理解が出来ず、社外の景色を一人楽しむ。 9時にスタート地点に到着。 1日目の実距離は23Km、着いた所はダム湖の最上流・雑木と花に包まれた丘陵地帯のど真ん中だ。 運転手と役員の方に「ボンジュール」の挨拶をして歩き出す。 東洋人は自分だけ。(後日になって日本の方が他に2人いらっしゃるのが判明) 写真を撮りまくっている内に最後尾となり、次のバスに乗ったウォーカーが「ボンジュール」と声を掛け行きすぎる。ベルギー人もオランダ人もアメリカ人も皆さん全て「ボンジュール」。 「せっかくここまで来たのだから、徹底的にキョロキョロと道草歩き。」を堅く決意。 牧草地には黄色の花が一面に咲き、放牧された乳牛が歓迎してくれた。 日本の乳牛は白にクロのブチ模様と記憶していたが、こちらはほとんどが白色。 薄茶色の牛は食肉用との事でした。 黄色の花はキンポウゲ科の花、フランスのウォーカーに花の名を聞くと、“黄色ではない金色だ”と強調、雪が解け野山が緑に染まり、放牧が始まる5・6月、ヨーロッパの牧草地一帯を金色に染める「金色のボタン・Bouton d`or」との事。 ベルギーからのウォーカーいわく、「牧草を腹いっぱい食べて肥えた牛たちが乳を沢山出す、それからバターが作られる。」 野には花、牛からはバター「バター・、フラワー・Butter Flower」と言うそうだ。 いずれにせよ、「野山の最も美しい季節が今なのだ。」 約8Km湖畔の道を歩く。ルートマークは所々に設置されてはあるが、先人の踏み倒した草が方向を示してくれる。 水辺の林間道と大きく開けた牧草地帯、そして対岸に広がる大農場と何もかもが物珍しい。水辺の釣り人までが特別に見える。印象派の絵を見ているようだ。 湖が終わり小高い丘に上がると、そこが最初の休憩場所だった。 1回目の昼食?を楽しんでいると、役員さんが寄ってきて「君はフランス語を話せるか・英語は?」との事。 「英語なら片言は」と、するとOKの手が上がり、なんとインタビューが始まった。 翌日の新聞に“Chantonnay・Vendeeで ウォーキング。参加者は3000人・外国から700人、アメリカ・イギリス・カナダ・そして日本からも”とカラー写真でデカデカと掲載。 “JAPON”の文字が3箇所も躍る。 同じ日にカンヌでは映画祭・モナコでF1グランプリと紙面扱いは同等かそれ以上、これは良い土産になった。 妻は別行動で4日間12Kmコースを選択、地元の奥様方から「ご主人が新聞に載っていましたよ!」と声をかけられる。 どこの国でも話題は同じ、亭主の噂と化粧と着る物の話し、ほめられたのは帽子。 このコースには地元の方が大勢参加。 スタートは8:30〜10:00、出発地点までバスで向かうのはどのコース同じ。初日実距離は13Km、約1Km歩いて21Kmコースと合流。 参加の皆さんは軽装、短パンの方も多く、手ぶらか参加記念のリュックザック姿。 予備の食料・装備等殆んど不要のようだ、各コース共、食料・飲料補給が7〜8Kmごとにある。 そして何より年齢層が若い、家族の皆さんが子供と一緒に持ち時間をフルに使ってのウォーキング、3世代で歩くのもあたりまえ、あぜ道を・農道をフルに使って楽しんでいた。 子供たちは休憩所では、両手に一杯のチョコレートとスイートを貰って大喜び! フィニッシュの後は、会場の芝生に座り、あるいはテントの中・ベンチで昼食。 レンタカーのナビは日本語 「最悪の場合ウォークはエスケープ、車で観光を」の思いで借りたレンタカー、これが大正解。 ウォーク後1時間の昼寝を取って、ドライブ・買い物・レストランへと大活躍。 ヨーロッパの初夏の一日は驚くほど長い、朝の6時から夜の9時過ぎまで太陽が昇っている。行動時間はたっぷり。 道路は右側通行、慣れない左ハンドルにギアーチェンジ・案内板もろくに読めずのドライブではあったが、なんとナビゲーターが日本語で案内をしてくれた。 10分も走れば高速道路A-83があり、町には国道と主要地方道が走る、その上道路はガラガラ。 近所には観光地がいくつもあった。 車で40分「フランスでもっとも美しい村」の一つとして登録されている中世の村Vouvantへ。 ロワール川の河口、中世フランスの最大の港・宗教戦争(ナントの勅令)で有名な大都会Nantesまでも1時間。 日本からのウォーカー 北海道伊達市からSさん。5月9日からのイギリス国際ワンデルウォーク・16日からのスイス・ベルンツーデーマーチ、そして21日からフランスと、IML3大会を一人で廻っておられるとの事。 東京のK嬢。特別有給休暇の1週間を使って海外ウォークに初参加との事。 お二方の行動力に元気・勇気を貰う。 少ない日数をフルに使って、ウォークを楽しんでおられた。 「今からでも遅くはないぞ!我がウォーク人生」。 そして最大の贈り物「チャンスを創って又ウォークに来よう!」と妻の言葉。
旅行行程 「観光とウォーキングの両方を」と欲張り、齢と懐具合を考えて、宿泊は駅の近くの2っ星ホテルで2連泊を基本に組みました。 旅程は5月18日発28日戻りの11日間。 参考まで私の日程を書き出します。 5/ 19・25・26の3日間を除き8日間でも充分と思います。(最短7日) 往路 最短で目的地に行くのなら、東京発の夜便でパリへ 鉄道を使い翌日の夕刻にはシャントネに着くのは可能です。その間パリー又はナントで数時間の観光をする余裕も有ると思います。(時差は7時間、かなりの体力は必要ですが!) 帰路 ウォーク終了後、当日にパリーまで戻って空路日本へのコースは時間的に厳しい。 但し後示のソーミュール経由で戻ればJALの当日夜便(23時頃発)に間に合います。 翌日朝1番の国鉄でナントに出て、TGVパリーヘ・・・これがオーソドックス。 勿論、ナント又はパリーでの買い物時間はたっぷり取れると思います。 但しパリー市内から空港までのバスは道路混雑で1時間位い遅れることはザラだそうです? 心配の場合は(RER)で。 裏コースとして当日ソーミュール経由(1日1便pm3:00頃発)トゥール泊まり、ロワールの古城を巡って、TGVで夕方パリー着、20:00頃の便で成田へなども考えられます。 私の日程
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