犬も歩けば(1)
ど根性 路傍の花

   八柳修之
   

 歩道のアスファルトの隙間から生えた大根、ど根性大根の「大ちゃん」として親しまれワイドショーで採り上げられたことがあった。
犬の目線で歩くと、ど根性の花々を見つけることができる。この半年の間、路傍で見つけた花々、いずれも強い生命力で可憐に咲いていた。こんな花を見つけるとなぜかほっとする。一服の清涼剤である。

鎌倉市大町で見かけたノスミレは、道路が補修されればもう来年は見ることができない。
右のポッピーはよく見かける品種であるが、人通りの多い南藤沢の交差点、証券会社の前に咲いていた。毎朝、証券会社のおねえさんが会社の前を掃除していたが、ポーピーだけはそのままにしてくれた。誰も折ったり、踏みつぶしたりすることなく咲き終えた。
白百合は藤沢市片瀬山の住宅地の電信柱の下、砂利石の間から生えていた。
吾輩の液体肥料のせいかもしれない。近くに湘南白百合があり、乃木稀典が院長をしたことがあるというから、その精神が流れているのかもしれない。
お花ではないが、古木の幹から笹竹が生えていた光景を長後でみかけた。8月1日の早朝ウォーク、「長後のいこいの森」に参加された方は見かけたかもしれません。笹や竹の生命力は言うまでもありません。

最後にど根性の権化は、なんといっても南部盛岡の石割桜である。壬生義士伝、主人公、吉村貫一郎の言葉「南部の武士だれば、石ば割って咲げ」
石桜精神を校歌にしている学校もある。おまけに石割桜の写真です。
石割桜 樹令360年 田口絢子撮影