紀行文
― その後の足跡 8 ―
第8回海峡のまち下関歴史ウオーク
平野 武宏 | |
ウオーキングの地方大会を歩き回っていたら、映画の寅さんファンの妻の友人から「平野寅次郎」と命名されてしまいました。 生涯の三大目標として定めたオールジャパン ウオーキングカップ(47都道府県大会)完歩(2006年)、世界最大のオランダ フォーデーマーチ完歩(2007年)、地球一周四万キロ完歩(2009年)を達成した「湘南の寅次郎」、次の目標は時間とお金の許すまま、気ままに歩くことを楽しもうとしましたが、日本ウオーキング協会の新たなシリーズものに挑発されて、明治維新の頃に世界に向けて開かれた七つの港を巡る「日本開国セブンハーバーズリーグ」と坂本龍馬の足跡を巡る「龍馬グランプリウオーク」を追いかけることにしました。 お暇の折にご笑読ください。 |
|
唐戸市場ふぐの像 | 長府毛利家城下町 |
壇ノ浦長州の砲台 | 青春交響の塔 |
厳流島 | 関門橋 |
山口県 下関編 2010年11月20日(土)〜21日(日)第8回海峡のまち下関歴史ウオーク実行委員会、山口新聞社主催、下関市、日本ウオーキング協会、山口県ウオーキング協会共催の第8回海峡のまち下関歴史ウオークに参加しました。 この大会は日本開国セブンハーバーズリーグ認定大会、坂本龍馬グランプリウオーク公式大会です。下関は今年話題のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の舞台・愛妻お龍と友に過ごし、同志たちと夢を語った龍馬ゆかりの地です。 11月19日(金) FWAの仲間3名で北九州空港から小倉に出て関門トンネルをくぐって下関入り。 早速ホテルで情報収集し、地元料理に舌鼓。「とらふく刺し」・「ふくのから揚げ」・「くじらのから揚げ」・「関あじのさしみ」2人前を3人で分け合っていただく。〆の「ふく雑炊」は絶品。1杯のひれ酒でほろよい気分。その後はホテルでもらった招待券で近くの30階建て「海峡ゆめタワー」から夜の下関を眺める。ネオンは圧倒的に北九州側が輝いていた。38階には「恋人との聖地」があると聞き、訪問。あいにくいたのは案内係のおじさんのみ。暇なので一生懸命に声をかけて説明してくれる。おじさん曰く「若い人には邪魔をしないで、声をかけるのは子供と中高年のみだ」 11月20日(土)(40・20・10・7キロコースあり) スタート・ゴールの唐戸親水緑地(姉妹都市ひろば)は目の前が関門海峡。隣は唐戸市場の関門橋も間じかに臨む地。20キロコースを歩き出すと明治維新の志士以外に下関ゆかりの著名人がいたのは驚く。童謡詩人の金子みすヾ、オペラ歌手の藤原義江、日本初のエンターテナーの二村定一、作家の林 芙美子、松本清張、大女優の田中絹代、男優の松田優作など。 最初のチェックポイントはロープウェイ壇ノ浦駅。眼下には壇ノ浦が広がる。バナナと飲料水をいただく。バナナは門司港が日本に上陸の地とかで、以降チェックポイントではバナナサービスの連読。山に入ると平家の落人の地。平家ゆかりの寅次郎、ご先祖様の碑に最敬礼。長府毛利家の墓がある功山寺には乃木将軍像がお墓の入口を守っていた。長府毛利邸の残る城下町に入る。白塀と堀が印象的な町並だった。歴代の毛利長藩主を祭る豊功神社でバナナをいただき、海岸線を歩く。 壇ノ浦での源平の銅像に並んで、海に向かって長州藩の大砲が並ぶ風景。関門橋をくぐるとゴール。完歩賞はバナナ、巌流焼き(どらやき)、まるはのフィッシュソーセイジ。昼食時で賑わう唐戸市場で美味しい海鮮丼をいただき、外にあるふくの像前で記念撮影してホテルへ戻る。 時間がタップリあったので観光パンフを頼りに、下関駅周辺を散策。ココは地図を見ると明日のコースになっている。奇兵隊を支えた勤皇商人白石正一郎邸跡地、27歳の短い生涯を終えた高杉晋作終焉の地、安芸の厳島神社の分霊を守護神とした厳島神社を訪ねる。厳島神社の鐘楼は奇兵隊が小倉戦争での戦利品として持ち帰った大太鼓が下がっていた。夕食はホテルのサービスステーキ。 (こんな食事は地方に出たときだけですよ) 11月21(日)(30・20・10・7キロコースあり) 20キロコースは地図のミスで高杉晋作ゆかりの地や厳島神社には寄らずに下関港へ。 昔は捕鯨船で賑わったそうだ。昨日の散歩は正解だった。やはり「今日出来ることは今日済ませておくこと」が大切と再認識した寅次郎でした。 橋でつながっている 平家ゆかりの地 彦島に渡る。目の前は北九州でフェリーも出ている。彦島南公園展望台がバナナのあるチェックポイント。下関側に下りると、目の前に巌流島が見えてくる。地元では宮本武蔵より佐々木小次郎をひいきにしている風に感じられる。そう言えば昨日の完歩賞の巌流焼きには「おそいぞ 武蔵」と書いてあった。 大きな造船所を通過して下関駅方面へ戻る。海峡ゆめ広場から高杉晋作と坂本竜馬が並び立つ青春交響の塔を見てゴール。完歩賞はまたバナナ、巌流焼き(どらやき)、まるはのフィッシュソーセイジ。昼食は唐戸市場で好みの寿司を選び取り、鯨のから揚げを買う。 ホテルに戻り着替えて直通のバスで北九州空港へ。空港待合室で「先日FWAの例会に参加しました」と川崎在住の長距離ウォーカーから声をかけられた。FWAに知り合いがいるとのこと。JAL便は空席が目立ったおかげか、客席乗務員のサービスは良し。夕陽に染まる富士山が見える空席をどうぞと言われる。左手に夕暮れの富士山、右手に満月の光景には感動。 我が家に戻った寅次郎曰く「やはり わが家の風呂・トイレ・妻の食事が一番だ!」 参加記念品はバッチと萩焼のふくの箸置きでした。 映画の寅次郎は第37作「男はつらいよ 幸せの青い鳥」で山口県萩に立ち寄り、すぐに九州筑豊に向かっています。関東人の寅次郎は長州には長居をしていません。 湘南の寅次郎も初めて萩往還を歩いた時には同じように感じましたが、NHK大河ドラマの影響で長州に親しさを増したのが事実です。まして下関は平家ゆかりの地で日本の歴史の大きな転換点の舞台の大満足の旅でした。 平野 寅次郎 拝 |
|