連載


― 歩き方でその人の性格がわかるような気がします ―
黒江 輝雄
  暴力団の組員といわれるような人達のなかには一種独特の歩き方をする人がいるようです。肩をいからせて、胸を張り、足と手は逆八の字型で突き出して歩き、あたりを蹴散らすような感じです。チョット近寄りにくい雰囲気があります。存在感を誇示しているのかも知れません。多分見栄っ張りの性格なのでしょう。
 堂々とした貫禄のあるタイプの男性がチョコマカチョコマカと小幅で小走りに歩いている姿をたまに見かけます。なにか歩き方に不安定さがあるようで、滑稽ささえ感じてしまいます。身体に似合わず細やかな気遣いをする人のようです。
 歩くとき腰の位置の上下動、左右の振幅幅が大きな人もいます。身体全体が波を打ったようなウオークです。なにやらせわしなさそうな気がします。このようなタイプは活動的な人に多いようです。多分靴底の減り具合も偏っていることでしょう。
 外見もスマート、歩き方も優美な人を見かけます。ご婦人に多いようです。
優雅な歩きにはついつい見とれてしまいます。観察してみると、美しい歩き方の基本は、まず姿勢を崩さずに歩くことだと気づきます。
足も折らずにスット前に出し、腰も上下ではなく水平移動して前に進むことが基本でしょう。歩きに爽やかさを感じ取ることができます。外見と同様に心の内もスマートなのでしょう。うらやましい限りです。

 歩きには一定のリズムがあります。人それぞれに間隔は違います。
スポーツ大会の入場式などのように、行進曲の演奏にそって一斉に足並みを揃えて進む入場行進などとは違って、ウオーキングの例会とは参加者全員が「思い思いの個性を発揮しながら歩く行進」です。
たまには、「人の振り見て、我が振り直せ」という教訓を思い出しても良いのではないかと、ふと思うこともあります。