随筆

肥満は病気

弓削 玄雄
肥満は病気である。肥満とは体重が重く、肥っているのをいうのではなく、体重に占める体脂肪が一定の割合以上に増えた状態をいう。
 昨年、KWAから「ウオーキング指導員認定講習会」での「ウオーキングと医学」についての講演を依頼された。第2回(7月)と第3回(12月)のこの講習会で『ウオーキングと生活習慣病』についてそれぞれ1時間半づつ講演した。
 私はすでに診療の現場からは引退しているが、耳鼻咽喉科専門医、気管食道科認定医、健康スポーツ医であり、内科医ではない。生活習慣病は内科領域の疾患のため、講演に先立ち約15冊の本を読み、講演原稿を纏めた。この間に、肥満は病気であり、生活習慣病の元凶は肥満であることを強く認識させられた。
 私自身、生活習慣病である本態性高血圧症と軽度の糖尿病を持ち、昨年6月までは、BMI 28.5 ( 身長170cm、体重82.5kg )で明らかに肥満であった。人に偉そうに講演する前に、まず、自分自身の生活習慣を改め、肥満を解消せねばと痛感した。肥満を解消するには食べる量を減らすか、食べた量に匹敵するだけの運動をすればよい。
 湘南ふじさわウオーキング協会に入会して今年は10年目になる。引退した後の平成19、20、21年は年に190回以上(1回平均13.5km)歩いたが、体重は変わらず、肥満も解消できなかった。現在は高カロリーの食物が多いので、ウオーキングなどの有酸素運動だけでは肥満を解消することはできないと痛感していた。それで6月末から食べる量を減らすことにした。
 朝食、ご飯8分目、卵入り味噌汁1杯、納豆1パック食べていたのを、お茶400ccだけにし朝食を抜いた。11月からは、バナナ1本追加摂取。
 昼食、おにぎり2個食べていたのを1個にし、スポーツ・ドリンクを寒天でトコロテン状にしたもの250cc摂ることにした。
 夕食、今までと全く同じ、好きなものを食べたいだけ食べ、飲みたいものを飲む。
本来は朝きちんと食べ、夜に節食すれば一番よいのだが、喜寿を迎えた老人? の唯一の楽しみは、夜のご馳走と一杯なので、上記のような変則的な節食となった。
 体重は3ヶ月で4kg、8ヶ月で6.5kg減つたが、体力の減少はなく、ウオーキングも以前より快調に歩いている。BMIも26.3に、HbA1cは6.4から5.8と下がり正常値になったが、もう少し73kg位まで体重を落とすつもりである。とにかく今までがカロリー摂取オーバーだったのです。
 以上は私自身が8ヶ月間以上、実験的に実行していることである。肥満を気にしている方は、1日に食べる量を2/3に減らして御覧なさい。肥満は目に見えて解消できます。