連載


―  ウオーカーさまざま  ―
黒江 輝雄
  「十人十色」といいます。人はさまざまです。
ウオーキングという同じ一つの目的のために集まって来た集団の中でも、よくよく観察してみるといろいろなタイプの人々の集まりだなあと感じることがあります。
これからお話することは、私の独断と偏見にもとづく勝手な感想であることをまず
ご理解のうえでお読みください・・・・

 どのような社会にあっても社交的で開放型の人とそうでない方とに大別できます。
自己顕示欲の強い人、目立ちたがり屋の人、何かにつけて自慢話をする人、こちら側がたずねもしないのに会う人をつかまえては、子供自慢、孫自慢、経歴自慢などに話を持っていく人をよく見かけます。ご自身は習い性になっているので、そのことに気づいていないようです。内心「鼻持ちならない」気がしますが。
また家庭内のできごとを、洗いざらい打ち明けて表に出して話す人もいます。
プライバシー自己破壊型とでもいいましょうか。
反対に、折角みんなと一緒にウオーキングしているのに、黙々と一人で「唯我独尊」を決め込んでいる人もたまにはいます。なかなか話しかけづらい雰囲気がただよっています。このようなタイプの方は、自然と集団の片隅にひっそりと位置しているようです。
決して人の輪の中心では見かけません。仮に陰性植物型とでもいいましょうか。
(失礼の段お許しください)
 もっとも大半の参加者は開放型と植物型の中間派、良識派だと思います。

 わき目もふらずにまっすぐ前を向いてスイスイと前の集団を追い抜いていく突進型の人もたまにいます。この人達は一路ゴールをめざして、途中の景色や風物は眼中にないように振舞っています。逆にゴールはさておいて、道中の草花や自然風景などを鑑賞し、歴史的なことにも思いめぐらしながら歩いている人もいます。
自然鑑賞型歴史派とでもいいましょうか。このようなタイプの方はきっと事前に今日歩く地域の歴史や自然環境がどうなっているのかをじっくりと頭の中に仕込んであるのでしょう。途中でたまたま目にした古い「道標」などについても、「これは鎌倉古道に立てられた道しるべで云々・・・・」などと説明してもらうことが間々あります。

 人はそれぞれ個性があり、さまざまですが、ウオーキングを楽しみながら歩くのが基本ですから、自分も楽しみ、相手にも楽しんでもらうことを心がけながら歩くのが一番大事なことではないでしょうか。