随筆


− ウオーキング・スピリット −
 
黒江 輝雄
 「ファイティング・スピリット」とか「フロンティア・スピリット」という言葉があります。「スピリット」とは<精神、心構え、勇気>などと訳されています。いずれも精神面での高揚や活力をつけるために用意された言葉のようです。・・・
 私の独断と偏見で「ウオーキング・スピリット」という勝手な造語を作ってみました。・・・もともとウオーキングとは、健康増進と体力向上を目的として身体を動かすことですが、ただ単に手足を機械的に働かして運動するだけではありません。
ウオーキングに駆り立てる精神的な“心の源泉・動機”があるはずです。それを「ウオーキング・スピリット」と勝手に名づけました。

では、ウオーキングに人々を駆り立てる原動力はなんでしょうか?
私の考えでは日頃の日常生活ではなかなか味わえない達成感や満足感をウオーキングの例会が十分に充足してくれるからだろうと思っています。

日々の生活の中では物事がなかなか思うようには運ばないことが多いものです。いつも中途半端に終わったり、不十分な仕上がりで未練を残しながら“未完成”の途中で放棄したままになっている趣味の彫刻、絵画なども多いはずです。。
 現役時代には、会社の同僚たちとプロジェクトチームを組んで、与えられた課題と取り組み、見事達成して社長表彰を受けみんなで乾杯をした・・・などという経験をされたはずです。
目標を立てて、それを完遂したときの達成感や満足感はなかなか味わえないものです。

 ウオーキングの例会で、苦労しながらゴールして、その証としてもらえるIVVカードやシール・スタンプ類は、単に記録としてではなく<スピリット>の面でもなかなか良く考案された仕組みだなあと感心させられます。