紀行文

寅次郎ウオークの旅

― その後の足跡 ―

生涯目標のオールジャパン ウオーキングカップを2006年に完歩した「湘南の寅次郎」、念願の世界最大のオランダフォーデーマーチも2007年に完歩。しばらくの間、筆を置き、地元周辺を歩き回っておりましたが、旅への想いは断ち切れず・・
その後のウオークの旅で心に残った足跡をまとめてみました。
お暇の折にご笑読ください。
  
福岡県 小倉編
 2008年9月27日(土)〜28日(日)北九州市小倉で開催された日本ウオーキング協会、福岡県ウオーキング協会、朝日新聞社、西部日刊スポーツ新聞社、九州朝日放送主催の「第2回北九州無法松ツーデーマーチ」に参加しました。
 九州・沖縄マーチングリーグで歩き残した最後の大会で、義理と人情のウオーキングとの副題にも興味をそそりました。昨年秋から資格を得たJRのジパングを初めて使った旅です。
九州の玄関口100万人都市の北九州市が今年で市制45周年を向かえ、その記念事業の大会で、多くの市民ボランティアの協力も得て、40・20・10・5キロの4コースが設定されていました。

9月26日(金)
歴史とロマンの街とのうたい文句とは異なる近代的な駅の建物やモノレールがある小倉駅に降り立つ。ホテルに荷物を置いて街の下見に出かける。碁盤の目のような道路・アーケードがあり、新旧のものや異なった雰囲気のお店が入り混じって賑わっていた。
居酒屋さん・立ち飲み屋さんが多いのも目に付く。路地を歩いていると森鴎外が明治32年に旧陸軍第12師団軍医部長として小倉に赴任し、約1年半過ごした旧居があった。夕食は魚町銀天街でブリのあら煮定食。

9月27日(土)
ホテルの朝食では懐かしい顔との出会いがあった。青森の女寅次郎ことFさん、オランダでご一緒した愛知県のSさんやオールジャパンで何回もお会いしたKさんなど全国の健脚ウオーカー達との再会。スタートに遅い20キロコースを選択し、余裕を持って会場まで歩く。余裕をもって行動すると好事多し。会場では出店のお兄さんからは「お試しください」とウオーキング用靴下を渡される。また日本スリーデーマーチで同宿のカラオケ仲間の宮城県Iご夫妻と再会。Iご夫妻は出発式で水前寺清子さんと一緒に檄。
小倉太鼓乱れ打ちの中をスタート。太陽に輝く小倉城から歴史の重みを感じされる街なみを歩く。万葉碑や小倉湾沿いの企救の長浜の松並から関門海峡を見ながら、次に上った手向山公園には宮本武蔵の記念碑あり。こもれびの小径を気持ち良い気分で下る。
2つの給水所ではバナナサービス。門司港はバナナの荷上げ発祥の地。バナナの叩き売り発祥の地とか。今やドームになっている小倉競輪場の近くを通過。競輪も発祥の地とか。旧中津街道に無法松の大きな碑があり。
ゴール後は会場で地元の方お薦めの「オム焼うどん」をいただく。上下にオムレツがある焼きうどん。ホテルで休養し、夕食は街で焼肉定食。デザート代わりに九州ラーメン。
ホテルでの時間をつぶすにはTVが一番。日頃見ない時間帯には良い番組があった。
小説家を目指し、脱サラして八ヶ岳のペンション経営の人や伊豆稲取温泉の活性化で公募して、観光事務局長になった女性のその後の活躍の番組を見て、夢を追い続ける姿に感動。自分の夢を再確認しながら眠りについた。

9月28日(日)
帰りの電車の時間の関係で40キロのウオーカー達と一緒にスタート。さすがに健脚組みの歩き。20キロとの分岐点では、皆40キロに行き、心配になり、次に来る人を待つと来たのは顔見知りの神奈川県の人達だった。
平坦な旧長崎街道を歩いた後は階段や上り坂の連続。子育ての乳山八幡神社、立派な高見神社。神官さんに由来を聞くと旧八幡製鉄のゆかりの神社とのこと。美術の森遊歩道を下りる。夜宮公園のCPでは又バナナサービス。ゴール近くの常盤橋は長崎街道の起点との表示あり。ゴール後、9年間掛けて完歩の九州・沖縄マーチングリーグ(9大会)完歩の表彰状ブロンズのメダル・記念品の5スターの帽子をいただく。(実はこれをもらうのが目的)会場では万葉の歌人達にも愛されたという「筑紫野 二日市温泉の足湯サービス」で足の疲れを癒し、「玄海大いか入り お好み焼き」で空腹を癒しました。
小倉駅からはせっかくの足湯の後、これからは新幹線の旅とサンダルに履き替えて、雪駄姿の寅さんのような格好でした。
映画の寅次郎は福岡県には第28作「男はつらいよ 寅次郎紙風船」で久留米、柳川、秋月と旅して、かたぎの職業と結婚を真剣に考えています。第37作「男はつらいよ 幸せの青い鳥」では南に出会いありとのおみくじで青い鳥を求めて筑豊、飯塚に現れています。
寅さんは新幹線を使いませんでしたが・・・

歴史の重みを感じさせる街並みや文化や豊かな自然にふれあい、懐かしいウオーカー達との再会があった大会でした。これで九州はひとまず終わり、次は暇を見つけて、歩き残した大会のある北への旅を目指します。

                               平野 寅次郎 拝