紀行文

寅次郎ウオークの旅
― その後の足跡 11 ―

海外篇(トルコ アンタルヤ編ー1)
平野  武宏
ウオーキングの地方大会を歩き回っていたら、映画の寅さんファンの妻の友人から「平野寅次郎」と命名されてしまいました。
生涯の三大目標として定めたオールジャパン ウオーキングカップ(47都道府県大会)完歩(2006年)、世界最大のオランダ フォーデーマーチ完歩(2007年)、地球一周四万キロ完歩(2009年)を達成した「湘南の寅次郎」、残され時間は目標を定めずに、気ままに歩くことを楽しもうとしましたが、海外ウオーク 特に国際市民スポーツ連盟主催のIVVオリンピアードの魅力には勝てず、日本チームの一員としてトルコを歩くことにしました。
お暇の折にご笑読ください。
  
18日 イスラム寺院ブルーモスク 19日 宝物館のハーレムの前
20日 大会1日目のパレード(中央会場まで)
 
 2011年10月20日(木)〜23日(日)トルコ アンタルヤで開催の第12回IVVオリンピアード トルコ大会に参加しました。
この大会は国際市民スポーツ連盟主催で2年に一度開催される国際大会です。
ウオーキング・サイクリング・スイミングのいずれの種目にも参加できます。
寅次郎は第10回エストニア大会に初参加し、勝ち負け・速さにこだわらない、世界のウオーキング愛好者の友好と親睦を図る、その魅力に取り付かれてしまいました。
第11回大会は初めて開催地がヨーロッパを離れて日本 河口湖・山中湖で開催されましたが、日本式ウオーキング大会の域を出ず、物足りませんでした。
今回の日本チームは日通旅行が募集した大会前後の観光を含めたツアー(大会のみのコースもあり)で65名(女性41人、男性24人)の参加者にFWA会員が10名もいたのには驚きました。更に現地では個人参加のFWA会員1名もいました。
又、メンバーにはいままでに地方大会で出会った県外のウオーカーや友人の仲間のウオーカーなどがいて、仲間の輪がどんどん広がるウオーキングの良さを感じました。

10月17日(月)
4年ぶりの海外遠征でドキドキ・わくわくの気分で12時15分成田空港からトルコ航空直行便で現地時間18時イスタンブールに到着。約12時間の長旅でした。トルコ航空の客室乗務員は皆大型の女性でスリッパと靴下・歯磨きセットが入っている布ポーチの贈呈、夜食用にはミニチキンラーメンのサービスと満足。日本との時差はサマータイムで6時間。現地時間18時のイスタンブールは小雨模様で気温は10度。

10月18日(火)
 6時前にモスクの拡声器からお祈りを知らせるアナウンスが聞こえてトルコに来たんだと実感しました。朝方は肌寒い小雨模様の天気でしたが、イスタンブールのバスによる市内観光では晴れてきました。昨夜は気が付きませんでしたが、ホテルは城壁に囲まれた旧市街にありました。トルコ帝国が栄華を誇った17世紀に建てられたイスラム寺院 巨大なドームの周囲に建つ6本の尖塔が印象的な「ブルーモスク」、ビザンチン時代(3世紀〜12世紀)に造られた大地下貯水池「地下宮殿」、ローマ帝国時代(紀元前〜3世紀)にキリスト教の聖堂として建立されオスマン帝国(12世紀〜15世紀)が征服した後はイスラム教のモスクになり、今は博物館の「アヤ・ソフィア」などいずれも日本の鎌倉時代までのもので建築の技術や戦乱の世を過ぎても、現在まで残されている凄さに目を見張りました。
近くにある老舗マーケットが並ぶ「グランドバザール」を見学。現地ガイドからは「ここでは地元の人は買わないよ」と言われ、買物はせず、入口にあった屋台の手絞りザクロジュースを初体験。旧市街と新市街を結ぶガラタ橋を渡り、新市街のランドマークのガラタ塔から海峡の素晴しい眺めを楽しみました。ツアーに特有の行程で革製品のお店に連れて行かれ、間近でファッションショーを見たり、夜はベリーダンスと盛りだくさんの観光でした。
ベリーダンスショーで出た赤ワインは美味しいと聞いていた「TURASUN」(トラサン)でしたが、料理は日本人ツアーを意識したもので今いち。

10月19日(水)
 天気も回復したなか、旧市街のトプカプ宮殿を見学。歴代のスルタン(オスマン帝国の皇帝)が400年に近く居城とした場所。広大な敷地の内に豪華な宝石類がある宝物館、「ハーレム」の小部屋のタイル装飾の美しさに目を奪われました。
 寅次郎 スルタンは妻を持たず100人の美女に囲まれていたと聞き、我が意を得ましたが、100人の中から選ぶのは母親と聞き、少しがっかりしていました。
トルコでは見合い結婚が多いと聞き、親の権限が強いのはこの影響かも。そしてトルコの結婚には金貨が沢山必要で男やお祝いする親戚は大変とは笑いながらのガイドの話(少し昔のことのようですが)。
 文化がモザイクのように入り組んでいる都市イスタンブールを後にして、午後は空路でIVVオリンピアードが開催されるアンタリヤへ向かう。アンタリヤは地中海に面したトルコ屈指のリゾート地。国内線乗り込みではテロを意識したものか、身体検査は2度ある厳しさ。すぐに機内食が出ましたが1時間半のフライトのためすぐに回収。食べ終わっているのは寅次郎と外人。早食いと気にしていた寅次郎、外人並だと安心しました。気温は5〜9度から23度への大変化。ホテルは町から少し離れ、後は山、前は海。日本にたとえれば木のない箱根の山のすぐ下に湘南の海がある感じ。
ホテルから眺める地中海の青さに感激。アンタルヤでは年間300日太陽が輝いているとのこと。家々の屋根を見るとソーラーとタンクがついている。温水を作るためのものとのこと。
 
10月20日(木)
 早起きして海から上る日の出を見に海岸に下りる。7時過ぎに美しい朝日を見る。
泳いでいる人もいる。冬の3ヶ月以外は泳げるそうで、雪の山を見ながら泳げるのが自慢とのこと。但し、海岸は砂浜でなく小石の浜。7時なのにゴマパン売りの屋台あり。屋台のおじさんに会話の練習をして、1個(1トルコリラ=約45円)買う。
ガソリンスタンドには併設のコンビがあり、ミネラルウオーターを買うと0.5トルコリラ(町中では1トルコリラ)だった。
 大会中央会場(アンタルヤ オリンピック ビレージ)で大会登録、15時から市内の公園から大会中央会場まで4キロのウオーキングでパレード。日差しは強くTシャツ・半ズボンでサングラスのスタイル。各国のプラカードをトルコの子どもが持つ。53の国と地域の参加と聞く。路面電車を止めてパレードを優先。コースにある学校からは子ども達が並んでパレードを迎えてくれた。聖火がともされて開会式。
夜は早めの夕食を済ませて大会中央会場まで出かけてのウエルカムパーティとのことだったが、寅次郎はホテルでのバイキング夕食とスイーツパ−ティを選択。ウエルカムパーティはジュース1本で、座ってトルコの踊りと歌の披露のみだったとのこと。(つづく)