紀行文
2012年02月21日
池 内 淑 皓
[ミヒンタレー遺跡探訪 ]
プルメリアのアーチを抜けて聖地への階段を上る 紀元前247年6月ここに仏教が伝来した マハ サーヤ大塔:仏教を広めたマヒンダの遺骨が眠る インビテーションロック:聖なる岩、瞑想の地 見晴らしは抜群 蓮の花を持たせて、一緒にお参りしてくれたお父さん ロックの頂上からジャングルを見る
8月6日、今日はスランカに仏教が伝来した聖地を訪ねてみる、ジャングルに眠っていた遺跡群が1,934年に発掘された、場所は「ミヒンタレー」。
紀元前247年6月満月の日、ここに初めて仏教が伝来した、スリランカでは最も重要な聖地の一つなのだと伝える。多くの巡礼者が訪れ、特に7月の「ポヤデー(満月の日)」には国中の信者が集まって来ると云う。
ホテル近くのバス停からトリンコマリー行きのバスに乗り、30分程でミヒンタレーに着く(バスの車掌にミヒンタレーと伝えれば降ろしてくれる)
ガイドブックの地図を頼りに、小高い山に向かって歩き出す、途中考古博物館があったが、生憎本日休館で見学出来なかった。アーチ状に茂ったプルメリア並木の中の階段を上って行く、白い花に香しい匂いが鼻腔をくすぐる、仏陀フラワーと呼ばれるこの甘い香りに誘われて、天国へと導いてくれるような錯覚に陥る。
1,840段の長い石段を歩き、チケットオフィスで入場券を買い、靴を預けてここから素足で寺域に入る、足の裏に小石がごつごつ当たって痛いし、砂は焼けて熱い、まるで真夏の海辺の砂と同じ位熱い。
外国人は私一人だけ、参拝の人達は両手に花と供物を持って、皆無口で大塔の階段を上って行く、霊域にふさわしい静けさが漂う。私の後から上ってきた家族連れのお父さんが、私に蓮の花を持たせてくれた、気がついてみると、カメラをぶらさげただけの観光客の風体は、私一人だけなのだと気が付いた。
偶然出会った家族の一員に加えて頂いて一緒にお参りをした、スリランカの人達は何と心優しい人達だろうか。
ついでに大きな一枚岩が独立して屹立している「インビテーション ロック」に登った、ここも修行僧が瞑想する聖なる場所だと言う。
ここからの眺めは最高で、はるかかなたに滞在している町が小さく見えるし、足元にはジャングルが広がる、涼やかに風が通り抜けて気持ちが良いが、足元が悪くて少し怖い、早々と退散する事にした。
お土産屋さんをひやかしたり、マンゴーやスイカを買い食いしながら元来た参道を下る。
[休養日]
ヌワラウエワの池:歴代の王は潅漑用貯水池として乾季に備えた 池には魚が躍り、人々は笑顔が絶えない バスセンター近くの 青空マーケット 果物はふんだんにある、バナナは一房20円 海に囲まれたスリランカ、お魚は事欠かない、マグロが輪切りにされて売られている(刺身で食べたかったが蠅がうじゃうじゃいて駄目だ)
8月7日(日)、今日は全行程の休養日とした、スリランカに着いてから早や二週間が過ぎた、ゆっくり朝寝してから自転車を借りて、町周辺をのんびりサイクリングする事とした。
近くの潅漑用の池に出掛ける、若いお兄さんが三人で魚を捕っている、網を広げて、魚を浅瀬に追い込んで一網打尽、結構取れている、「食べるのか」と聞いたら、マーケットで売るのだと言う、しからばマーケットのある場所を聞いて訪ねて見る。バスターミナルの少し先だと教えてくれた、今日は丁度日曜日だから終日開いていると言う、急いで自転車を走らせる。
香ばしい良い匂いと、煙と共に、賑やかな声が聞こえてくる、青空マーケットだ。テントを張り、野菜、果物、魚、日用雑貨品等何でも売っている、魚屋の前で、目が点になってしまった。
インド洋で獲れた「まぐろ」が輪切りになって並んでいる、「かつを」も乱雑に店頭に放り出してある、輪切りのまぐろ、刺身にして食べたいが、蠅がうじゃうじゃたかっているのでやむなく我慢する。先程池で捕っていた同じ種類の魚も店頭に並んでいるし、魚の数が豊富なのには驚いた。
ココナッツ売りのおじさんからキングココナツを買い、青臭いジュースを飲みながら、露店の屋台で野菜入りストリングス ホッパー(ビーフン様のヌードル)を食べて宿に戻った。
明日は、アヌラーダプラを発って列車でコロンボ経由、島の南端にあるゴールに向かう。 続く