紀行

「ふじさわウオーク2012」に参加して

川島 俊子 

新緑と青い海、汐風いっぱいの湘南を歩く。5月26日「ふじさわウォーク」が行われた。スタートは奥田公園、ゴールは秩父宮記念体育館。距離は20キロ、10キロ、5キロである。
 いうまでもなく、一番無難な5キロに決めるにはさして時間がかからず、ウォーキングシューズ、飲み水、弁当等と、加えて熱中症の恐れなど、初心者なる故か当り前のことが気になり、前夜から準備にぬかりなし。
当日は早起きして、集合場所の奥田公園に。クローバーの白い花が一面に咲き、所せましと大勢のウォーカーで賑わう。受付にて参加費と引き換えにゼッケンを受け取る。三浦市から参加という方と語り合いつつ、スタートの時刻を待つ。ゼッケンにより、一目にて何キロコースか分かる。かなりご年配とお見受けする方でも、長距離コースの方をみると敬服してしまう。
 先ずは、ファミリーコース(5キロ)の新林公園。市の中心街にほど近く、緑の谷間に広がる緑豊かな公園にて、時折リスが顔をのぞかせ、周辺の山からの湧水による「川名台地」はバードサンクチュアリになっており、カワセミも観ることができそうです。
 この台地から流れ出す小川は、小さな湿原帯と池に分かれ、花の季節には湿原植物が彩りを添え、梅、桜、モミジなど、四季を通じて楽しめる。池のほとりに江戸時代の古民家、長屋門が静か。古民家は茶会にも利用されている由。

 5キロの列は十数人というところでしょうか。目指すは秩父宮邸跡(現天理教会)。秩父宮雍人親王が病のため御殿場で療養生活を送られ、戦時下より一貫して戦争拡大政策に批判的であられたそうな。昭和27年にこの鵠沼別邸で静養された。敷地は約千坪あるとのこと。庭先の筧の音が、静かにきこえていました。
 暑くもなく寒くもなく爽やかな空の下、塀越しに咲く見事な薔薇の花、手入れのよい庭木など目にしつつ、桜小路公園(はす池)へと向かう。この公園一帯は、鵠沼の地名となったといわれるように、昔、沼が七つあったそうです。時代と共に埋めたてられ現在は二つしか見られません。はす池の生成は境川流路に関係がある。明治10年代に片瀬山から土を運んで、境川の流れを真っ直ぐにしたら、その結果、湿地、池が残ったそうです。何時ぞやの落雷によって生じたという大樹の幹に、縦に大きな亀裂が。でも、仰ぐ梢は緑の葉を鬱蒼と。
 次なるは江ノ電に沿って一路ゴールへ、秩父宮体育館前での解散となる。天候に恵まれウォークの楽しみを味わうことが出来たことに感謝します。