紀行
タイ、マレーシア国境の駅パダンプサール駅には翌朝9:14に到着、荷物すべてを持ってホームに降りる、客車はそのままであるが機関車はマレー鉄道のディーゼルが付く、乗客は全員係員に促されてホーム内にあるタイ出国検査を受ける、OK となれば今度は歩いて20m先のマレーシア入国審査を受ける、出入国カードの提出は不要であった。全ての検査が終了するとまたホームに戻る、全員元の座席に戻ると列車は終着駅のバターワースに向けて出発する。 出入国検査の最中に台湾の 張さん と云う28才になる活発なトラベラーと知り合いになる、何となく同じ顔つきのアジア人だから自然と馴染みになってくる。今中国と日本は仲が悪いが台湾は違う、昔から親日的なのだ。 現役時代に台湾を一人旅した時の事、台中の埔里に滞在中偶然食堂で知り合った女性の家に招待され、更にVIPの泊まるホテルを無料で予約して頂いた事がある。これらの出来事を張さんに披露すると、大きく頷いて満足そうな笑みを私に返してくれたのを昨日の様に思い出される。案の定彼女は私がペナン島に渡り、目指すホテルまで路線バスに同乗しフォローしてくれた。若いのに白髪の私をエスコートしてくれたのだ。 受け取らないという彼女の手のひらに無理やり食事代を握らせた。埔里の恩を含めて今の僕には精一杯のお礼の気持ちを表したかった。 |