平成・奥の細道ウォ-ク(13)        

金沢~小松~大聖寺~芦原温泉の巻
福井 正彦
第30回 奥の細道
金沢は7年前のFWAバスウォークや個人で2度大会に参加した曾遊の地である。前回宿泊したホテルに今回も3泊。荷物を預け市内の主計町(かずえまち)、茶屋街、ひがし茶屋街、兼六園、金沢城等を散策した。
10月6日(土) 金沢~松任 18km
長町武家屋敷
玉川公園を9時15分に出発。かつて藩士が住んでいた長町武家屋跡を通り、妙立寺・本町寺・成学寺・願念寺など、寺町に芭蕉らの句碑が多く見られる。

     塚も動け我泣く声は秋の風

茶屋街には江戸時代そのままの紅殻格子の家が建ち並ぶ。ひがし茶屋街は武士が相手、にし茶屋街は町人相手と茶屋街も「ひがし」と「にし」では大分印象が異なる。念西寺の千代尼塚を左に見て、野々市市の文化会館フォルテで昼食。残り6㎞、ゴールは松任城址公園。松任は加賀千代女の生誕地である。
    
10月7日(日) 小松~山中温泉 31km
2日目は小松~山中温泉。小松の杜を9時10分に出発、間もなく建聖寺。芭蕉の滞在地の一つである。境内に翁塚の石碑「はせを留杖の地」と句碑がある。

   しほらしき名や小松吹萩すゝき

街中を歩行、本折日吉神社に芭蕉の句碑 春もやや 気色ととのふ月と梅 参拝後、木曾義仲によって奉納された、斎藤実盛の兜と直垂の錦の複製を見た。

   むざんやな甲(かぶと)の下のきりぎりす
那谷寺 奇岩遊仙境

 浅井畷古戦場跡を見ながら進む。粟津温泉おっしょべ公園で昼食後 那谷寺へ。山門を入ると朱色の金堂華王殿がある。その奥の奇岩遊仙境は火山活動や浸食作用でできたもので、水に映る白い岩が風化し非常に美しい。岩屋と同じ高さまで京都の清水寺と同じ工法の本堂(大悲閣)が建っている。護摩堂から奇岩遊仙境の景観を一望した。

   石山の石より白し秋の風

山中温泉をめざし残り13km、四十九院トンネルを潜り山中温泉の渓谷(鶴仙渓)の遊歩道を散策した。
S字型の斬新なデザインのあやとり橋を通り、今日のゴール山中温泉街へ。ここに芭蕉と、病身の曾良が別れの石像があった。JR加賀温泉駅までバス移動。

   行き行きてたふれ伏すとも萩の原  曾良
   今日よりや書付消さん笠の露    芭蕉
    
10月8日(月) 大聖寺~芦原温泉 19km
ふれあい広場から出発して直ぐの全昌寺 羅漢堂には、金沢藩、大聖寺藩の武士・町人等から寄進された釈迦三尊・四天王・十大弟子・五百羅漢の総計517体が安置されている。街中を抜けると田園風景、北國街道を往くとゴルフ場や果樹園の風景が広がる。石川県と福井県の県境をすぎると、千束の一里塚 榎の大木が見える。以前大木は道の両側にあったが道路が拡張して、西側だけに残っている。ここより3km、ゴールの芦原温泉駅前には14時10分に到着した。 
3日間快晴に恵まれ最高のウォークで終了した。