紀行

マレー半島縦断列車の旅(4)

 2013年2月2日 池内淑皓
[テロバハンの港町と極楽寺を歩く ]
 11月21日 今日は町からバスで小一時間程離れた小さな漁師町テロッ・バハンを訪ねることにした。
宿から歩いて20分の所にあるコムタバス停から終点までエアコンバスで行く、タンジュンブンガ、バトウフェリンギ等リゾート地を抜けて島の西はずれにあるテロッ・バハンに着く。ここまで乗ってバス代は50円、ジョージタウンの喧騒から離れて静かな漁師町だ、町の先端はペナン国立公園でハイキングが楽しめる様になっている。この日は丁度町の選挙演説会を行っていた、従って漁も舟遊びも休みだと云う。
 漁港を散策していると私を呼び止め片言の日本語で話しかけてきた漁師さんがいる、こんな辺鄙な魚港をガイドブック片手に、一人うろうろしているのは日本人に違いないと思ったという、名前を季瑞振(Lee)さんと言い、昔東京で働いた事があると、懐かしそうに近づいてきた。
故郷に戻って漁師をしているのだと云う、小さな港を案内してもらいながら、しきりに今の東京に興味を示してくれた。生憎今日は選挙活動の最中でレストランも休業だと言う、仕方なく屋台で魚のカレー煮を食べてバスの人となった。

ジョージタウンのコムタからテロッ・バハンへの地図(地球の歩き方より引用)
テロッ・バハンの漁港全景  船溜まり
魚の選別場 小魚ばかりであった 李さんと漁港の前で
11月22日(木)今日は1890年から約40年かけて作られた中国、タイ、ビルマの三様式が混在するという「極楽寺」(ケク・ロクシー テンプル)を訪ねた。このお寺マレーシア最大の仏教寺院であると云う。
 バターワース行きのフェリー桟橋際から出るバスに乗って、アイル・ヒッタムで降りる、車内での行き先表示は乗車扉の脇に電光掲示板で表示されるから、下車したいときはブザーを押せば止まってくれる。
 バス停前のインド人経営のカレー屋さんでチキンカレーを食べる、これが旨い。ここまでカレーを食べて来ると、お店によってカレーの味が異なるのが少しずつ分かってきた。
 極楽寺のスケールは大きい、12万uもの広大な敷地を有し、お土産屋で道が塞がるような参道の中を、カラフルな山門を抜けて、山の中腹にある本堂に向かって登って行く。
本堂の大仏は日本の大仏と変わらぬ表情に懐かしさを覚える、7層からなる大きなパゴダの堂内に入って展望台まで上る、この堂内には中国様式、タイ様式、ビルマ様式の仏像が1万体以上安置されていて圧倒される。30mの最上階からはジョージタウンの街並みが箱庭のように見える。
バス停前のインド人経営のカレー屋さんにて  極楽寺境内にて
 極楽寺 中国式の円形門を潜って回廊を上に向かう
釈迦三尊像

続く